進路アドバイス②:大学受験の分岐点~文系か理系か

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 大学受験上の選択は「文系か理系か」(好き嫌い、能力・適性による)→学部(将来の職業、興味・関心による)→大学(学力による)の順番で決めていくことになります。最初に決めなければならないのは、「文系か理系か」という選択です。例えば、高卒認定試験受験生であれば、90%は文系であると言ってよく、その場合、受験科目は基本的に国語(現代文・古文まで)、社会(世界史か日本史かどちらか好きな方)、英語の3教科を押さえておけば、私立文系ならほとんど受験が可能です。
 国公立大学文系を受験するためには、「5教科7科目」になり、社会は地歴(世界史、日本史、地理)1科目、公民(現代社会、倫理、政経、倫理・政経)1科目の2科目必要で、理科も1科目、数学は基本的に数ⅠA・数ⅡBの2科目必要になってきて、負担が格段に増えます。しかし、この場合も先程の「基本3科目」が核になることは間違いなく、これらが弱いのに国公立大学文系を志望するということは考えられませんで、最初はこの3科目に集中することになります。
 「大学のレベルは基本的に英語で決まる」と言ってもよく、大学のレベルが高いほど英語の問題が質量共にアップし、レベルが下がればマークシート主体の文法問題の比重が増えてきます。文系・理系を問わず、英語が弱いと大学受験にならないので、苦手な人は如何に早く英語の勉強だけでもスタートさせるかがカギとなります。また、英語の力を密かに支えているのは国語、それも現代文の力です。現代文の実力以上に英語の実力はつきませんので、「英語を伸ばしたければまず現代文に強くなれ」ということも知っておくとよいでしょう。
 理系は「好きだから」と漠然と志望するケースが見られますが、これは絶対に避けなければなりません。文系は幅が広いので、入学してからどうにでもなりますが、理系はその分野が「好き」なのは当然として、それ以上に「能力」があることを大前提としなければいけません。「能力」とは具体的には「数学の力」を指します。見極めは数ⅡBで、最低数ⅡBがすでに終っているか、そのメドが立っていて、なおかつ武器になるというレベルです。そうでなければ文系に行って、自分のやりたいことをできる形でやった方が賢明です。選り好みをしなければ入れる所はありますが、数学の力が弱いと4年で卒業することが難しくなるのです。テキストも基本的に数学の力をベースとしているので、何が書いてあるか分からず、一夜漬けもできないという事態が現実に起こっています。さらに、理系の場合、学部4年の卒業では研究歴としては見られず、大学院修士課程2年卒業でやっと「研究をしてきた」と見なされるので、先は長いのです。実験も多く、時間も結構取られますから、理系に進む場合は決して甘く考えないことです。
 理系でカギとなるのは、英語と数学の2教科です。いずれも時間がかかる科目ですので、1年以上の時間を取るべきです。半年で目指す道ではありません。ある意味で理系は、「優秀なエリートのみが行くべき道」とも言えるのです。バラエティに富んだ文系と同列に考えるべきではありません。

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