教養としての儒教⑤:儒仏道の三教一致

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三教一致(合一):魏晋南北朝時代から、中国知識人は公的には政治的男性原理に立つ儒教世界(善政志向、詩も志を述べるもの)に生き、私的には生活的女性原理に立つ道教世界(養生法、不老長寿法、民間信仰)に生き、哲学的には仏教的真理を学ぶことが伝統的に行われており、三教一致(合一)が成立していました。これは東洋のエキュメニカル運動と言え、西洋のエキュメニカル運動が挫折していることと対照的です。こうした伝統の中で、仏教の「空」や神通力が老荘思想の「無」の思想や道家思想の呪術信仰を土台として受容され、仏教の組織的体系の影響で宗教としての道教が確立され、荘子思想の強い影響で禅宗が興り、道家思想の呪術信仰の影響で念仏による浄土教が興りました。また、儒教でも禅宗の影響で宋学が興り、儒教・仏教・道教を総合した新儒学(ネオ・コンフューシャニズム)が誕生しています。

(1)西洋宗教・思想の位置づけ:人間原理(キリスト教)、家庭・社会原理(ユダヤ教・イスラーム教)、自然・世界原理(ギリシア哲学・近代科学)

(2)東洋宗教・思想の位置づけ:人間原理(仏教)、家庭・社会原理(儒教)、自然・世界原理(道教)
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