『女の子の自己肯定感を高める育て方』お勧めの本

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コラム
もうすぐ父の日だが、娘との関係に悩む親はたくさんいると思う。今回は、私と娘、父と娘との関係が好転するきっかけになった本を紹介したい。
この本は、長年女子校の教育現場で女子生徒を相手にしてきた男性教員が書いた、女子の取扱書と呼ぶべき本である。
年頃の女の子に対し、どういう声かけはその子の自己肯定感を下げ、どういう声かけをすればその子を伸ばすことができるのか。
年頃の娘さんを持つお父さん、お母さんだけではなく、仕事場で女性のスタッフとどのように接すればよいかお悩みの方、パートナーの気持ちを理解したい男性、自己肯定感に悩む女性ご本人にもおすすめできる本である。

その中でも、私が注目した部分をご紹介する。

・女性にしてはいけない叱り方

「個人名をあげた具体的な注意は、その子の自己肯定感をダイレクトに下げてしまうことになりかねません。注意の仕方にも男女差があるのです。」
「人前で1人を名指しして叱ることは、女子に限っては絶対にNGです。女子を個別に叱る時には、人前を避けるということは覚えておきましょう。これは、私たちが新人の先生、とくに男性の先生にお話ししていることです。

・人前で不用意に褒めてはいけない

実は人前では褒めてもいけないのが女の子の難しいところです。ヨコ並びであることを重視する女子においては、突出するとどうしても周囲から浮いてしまうことが多く、下手をしたら贔屓されている、いい子ぶっている、などと攻撃対象になってしまうことがあるのです。」
「女子を褒める時には、全体を意識することが重要です。個人を褒めたい場合は面談の機会を使います。」

・・・これは、目からウロコだった。言われてみるとわかる気がする。学校というシチュエーションの話だか、応用がききそうである。

・派手になってきた服装、メイクを受け入れる

基本は子どもの変化を受け入れること。「受け入れられる」という経験を積んで自己肯定感が上がってくると、無理に派手な格好をしなくても、つまり周りに服装やメイクで認めてもらわなくても、大丈夫と思えるようになるものです。お子さんの外見が派手になってきたら、それは自己肯定感が下がっている合図
・・・これについては、今働いている娘が、高校生の時に同じような時期があった。夫も私も困惑していたが、この本のお陰で乗り切れた。今本人に聞くと、「あの頃自分に自信がなくて、メイクは自分を守るためのバリアみたいなものだった。メイクなしじゃ外に出られなかった。」と話す。今ではメイクも適度になり洗練されてきて、精神的にもだいぶ落ち着いたと思う。だから、頭ごなしに注意するより、見守ってほしい。

・母親自身のケアが必要

娘から上手に距離をとり、自分自身の道を進むためには、まず母親がありのままの自分の気持ちに気づくことが大切です。
・・・これが難しいかもしれない。この本の中では、母親自身の人生や、その両親との関係、夫婦関係などについても、言及されており、私自身が人生を見つめ直すきっかけにもなった。

そのほか、目次に並んでいるのは次のような項目だ。
女の子の親がまず受け入れるべきこと
・知っておきたい女の子の特性
・「姉妹みたいな母娘」と言われて喜ばない
・自分の「自己肯定感」を娘で満たそうとしない
・上から目線を卒業する
・娘がつらい時はぎゅっとする
・程よい距離感を意識する
・仲間はずれ、いじめの処世術
・心と身体の変化、性教育への対応
・できる姉や妹、手のかかる弟がいる娘の接し方
・自分で自己肯定感を獲得する女の子の育て方
・娘の失敗を事前に回避しない
・「失敗しても大丈夫」がチャレンジにつながる

私自身、子供の手が離れてきて仕事を始めようと考えているが、仕事を始めた母親がやりがちな「過保護から放任へ一気に切り替えない」という項目に書かれていたアドバイスに気をつけて、いい関係を築いていきたいと思う。
Amazonでも電子書籍を取り扱っていて、無料のサンプルだけでも十分に参考になるので、試し読みしてみてはいかかだろうか。

実務教育出版
著者:鷗友学園女子中学高等学校名誉校長 吉野明
『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』












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