前兆を伴わない片頭痛の診断基準

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こんにちは、脳外科医ノリです。
今日は、片頭痛の診断基準について話していきたいかなと思います。

診断基準を知ってほしい

片頭痛って自分で片頭痛だと思っていて、病院にかからない人とかも結構います。それはそれでもいいんですが、病院にかかると色々調べられるし、別の原因があったりもするし、もちろんいろんな薬もあって、良い治療を受けると、だいぶ生活が良くなるということが分かってます。
そんな中でやっぱりきちんと片頭痛を診断して、治療とか自分の誘発因子みたいなものを理解して、コントロールすることができると、かなりクオリティオブライフ、生活の質が良くなるんじゃないかなというふうに思っています。まず一人一人がこの片頭痛の知識をやっぱり身につけて、診断基準もそんなに難しくないので、この機会に覚えてもらって、自分は当てはまるかということをやってもらうといいかなと僕は思っておりますので、話させてください。

前兆を伴わない片頭痛の診断基準

まず今回は、前兆を伴わない片頭痛、Migraine without auraの診断基準を話したいかなと思います。
診断基準は前回言ったとおり、このICHD-3という国際基準から話していきます。

A・B・C・D・Eと5つ条件があります。

Aの基準

Aが、BからDを満たす頭痛発作が5回以上あるということで、この診断基準を適応しようという人はだいたい5回以上ありますので、無視していいと思います。

Bの基準

Bが頭痛発作の持続時間が4から72時間ということで、だいたい4時間以上、3日以内に収まるというのが片頭痛の特徴であります。
これが必須の項目になると思います。
もちろん、薬を飲んで収まる場合は4時間以内に収まることがあると思いますので、そうではないんですが、未治療だったり、あるいは薬を飲んでも効かない場合で4時間以上続くと、だいたい3日以内に収まると、そういうものが片頭痛の発作になります。
もちろん、新しく連続しておきた場合は、収まったけどまた次の日おきた場合は、もちろん3日続くことはあるかもしれませんが、この4時間以上ということが1つの条件というふうになっております。

Cの基準

Cが頭痛の特徴なんですが、これが4つ挙げられていて、この4つのうち2つ以上を満たすというのがCの基準になっています。
その4つの特徴は何かというと、1つが片側性。右側か左側かどちらかに偏っている、片側であること。
もう1つが拍動性。ドクンドクンということですね。おもしが乗っているような、そういうものではなく、拍動性、ドクンドクンみたいな。そういう痛みが特徴だというふうに述べられています。
3つ目が中等度から重度の頭痛ということで、結構つらいということですね。これもまた難しいんですけども、どれくらいの痛みかということは、人によるんじゃよるんですけども、動けなくなるというか、その生活をやっていた作業がストップしてしまうとか、そういう程度のことを中等度というふうに言うのではないかと思います。
4つ目が日常的な動作、歩行や階段の上り下り、そういうことによって頭痛が悪化する。あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける。何か動いたりとかそういうことが止まってしまう。そういう動作によって頭痛が悪くなってしまうというのが1つの特徴になっています。
以上ですね。

片側であること。ドクンドクンという迫動性があること。頭痛の症状が中等度以上で重いということと、日常生活によって動作とかによって頭痛が悪くなると。あるいは止まってしまう、頭痛のせいで動けなくなるということが条件になっています。

これはある意味片側じゃなくても他の3つの値を満たせば診断基準が当てはまるので、必ずしも片側じゃなくていい。
必ずしもドクンドクンしなくていいというのがこの診断基準のポイントで、非常に強い痛みで日常動作を避けてしまうということであればこのCの基準は当てはまるということになります。
あるいは典型的に片側だけドクンドクンしていればこの基準は当てはまるということになります。

Dの基準

Dの項目に移ります。頭痛の発作中に少なくとも2つの条件のうち1つを満たすということですね。
それが何かというと1つ目は悪心または嘔吐、つまり吐き気がするというのがあれば頭痛中に吐き気がするというのはこの基準になりますね。もう1つが光過敏及び音過敏。
光、眩しいところ嫌だなとかうるさい音きついなっていうのが頭痛の発作中にあるとこの基準を満たすということになります。
つまり典型的に吐き気がしてうるさい音とか光とかがきつくて目を閉じてしまうとそういうようなイメージですね。
これがDの基準になります。

Eの基準

最後のEが他に最適なこのICHD3の診断がないということで他よりもこれが当てはまりやすいということであれば頭痛ということになります。

まとめ

頭痛の正常としては片側だったりドクンドクンしていたりそれがすごく重くて日常生活がストップしてしまって同時に吐き気とかも伴うし目も閉じたいって光も厳しいし音もうるさいの嫌だなというような症状こういう頭痛が4時間以上続いて3日以内に終わるとこういう頭痛が何度も何度も5回以上繰り返していれば片頭痛という診断になります。
決して前兆は必要ないしある意味片側である必要もないしということになるんですね。
必須の条件と必須じゃない条件がなかなか難しいんですけども自分これ当てはまるなということであれば片頭痛の可能性非常に高いですので、誘因の検索だったり、頭痛ダイアリーだったり、医療機関受診だったり、そういうことをしてもらえるとより自分の生活が良くなるんじゃないかなと思います。自分が当てはまるかどうか考えてみてもらって当てはまった方は是非医療機関に受診していただけたらなという風に思います。



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