片頭痛の頻度について

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こんにちは、脳外科医ノリです。
今日は、片頭痛について、特に片頭痛の頻度について話していきます。

なぜ脳外科医が頭痛を診るのか

片頭痛は、多くの人が悩む疾患で、頭痛は脳外科の専門分野でもあります。頭痛は、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。一次性頭痛は、片頭痛に代表されるもので、原因となる特定の病気がない頭痛のことを指します。一方で、脳腫瘍やくも膜下出血など他の病気に関連して頭痛が起きる場合、それを二次性頭痛と呼びます。基本的に一次性頭痛の診断の前に、二次性頭痛の除外、つまり頭痛を起こす疾患を除外しなければなりません。頭痛を起こす疾患の多くが脳神経外科で扱う疾患であるため、頭痛患者さんを見た時に、まず脳の病気が隠れていないか探す必要がありますので、脳外科医は頭痛患者さんを見ることが多いです。脳神経外科医は頭痛の専門家でもあると言えます。

頭痛の診療ガイドライン2021を参考に頭痛について話していきます。

頭痛診療ガイドライン2021|ガイドライン|日本神経学会
www.neurology-jp.org


片頭痛の有病率

1997年のアンケート調査で、片頭痛の年間の有病率は8.4%であることが報告されています。片頭痛には前兆があるものとないものがあります。前兆がある頭痛は、閃輝暗点といった視界の中にキラキラしたものが見えるといった前兆があるものです。前兆のある片頭痛を持つ人は2.6%、前兆のない片頭痛は5.8%とされています。多いのは前兆のない片頭痛です。前兆があるものが有名なのですが、前兆がないものも片頭痛と診断されうります。
皆さんの実感にもあるように、特に20代から40代の女性に多く見られます。未成年者でも、高校生で9.8%、中学生で5%、小学生で3.5%が片頭痛を経験しているというデータがあります。高校生以下でも多くの人が片頭痛を持っています。片頭痛のために授業に集中できないなど問題があります。お子さんやクラスメイトで頭痛で困っていそうであれば医療機関への受診を考えても良いかもしれません。
女性に多いということで、30代から40代の女性に特に多いです。実際に、この年齢層の女性の約20%が片頭痛を持っています。5人に1人は片頭痛を持っているようです。
世界的に見ると、アジアでは5%から10%程度の頻度で片頭痛が報告されていますが、欧米では10%から15%の頻度で発生しています。つまり、アジアよりも欧米地域の方が片頭痛が多いと言えるでしょう。

ポイント

・大体10%くらい、10人に1人くらいの有病率
・20-30代の女性に限ると、5人に1人くらいの有病率
・アジアよりも欧米に多い
・未成年にも発症する

経済的な損失

社会経済的にも、片頭痛は大きな影響を持っています。労働人口によく発生する病気で、ある試算では、年間で3000億円以上の経済的損失があると言われています。特に労働者の中で片頭痛を抱える割合は高く、うつ病に並んで労働を傷害する割合は高いと言われています。これから労働力が低下する日本において、片頭痛は重要な疾患であると言えます。

まとめ
まとめると、片頭痛は広く存在し、年間で約10%の人が片頭痛に悩まされています。特に20代から40代の女性に多く、欧米地域では頻度が高いです。この疾患は社会経済的にも大きな影響を持つため、今後の介入や治療の研究がますます重要になることでしょう。


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