【学び】外国語学習における文法と会話練習のバランスとは?ー文法偏重教育を超える効果的なスタディハック

記事
学び

「日本人は英語ができない」という話題は昭和時代の話ではありません。今でも巷で頻繁に耳にする話題です。確かに、東京など国際化した大都市では、英語ができる日本人も散見されるようになりました。しかし、EF EPIの指数を見るなど、英語力に関する統計を調べると、全体的には日本の英語プロフィシェンシーは世界では低い方です。この話題になると、必ず「日本の英語教育が文法ばかりだから」とか「もっと会話の時間を作るべきだ」というように、文法教育を槍玉にあげる人々が世間にいます。では、それだけ文法教育は「無用の長物」なのでしょうか?どういう対策が必要なのでしょうか?このブログでは、バランスの取れた効果的な外国語の学習環境のアウトラインについて書いていきたいと思います!

1. バランスの重要性とは?ー文法偏重学習の良し悪し

外国語学習において、文法練習と会話練習のバランスは非常に重要です。文法は言語の仕組みですので、文法の学習は言語の正しい基礎を固める上で欠かせません。その一方で、実際にコミュニケーションをする際には会話能力も重要な要素となります。では、どのようにバランスをとるべきなのでしょうか?

1-1. 文法学習のメリットとデメリット
まずは、文法学習のメリットとデメリットについて考えてみましょう。ここでは、以下に箇条書きで両者を洗い出すことで「槍玉に上がる文法学習にもメリットがある」反面に「それでも文法偏重では上手くいかないこともある」という「文法を生かさず殺さず」にすることから見えてくる「言語学習のタマムシ模様」を浮き彫りにしたいと思います。

【メリット】
文法の理解:文法学習により、言語の構造やルールを理解することができます。例えば、英語の過去形の作り方や条件文の形式などを学ぶことで、文法的に正確な構造を持つ文章を作成することができます。

読解力向上:文法の知識は、文章を正しく理解するための重要な要素です。例えば、文章内の語順や接続詞の使い方を把握することで、テキストや記事をより効果的に読み解くことができます。

文章の正確性:文法を正確に使用することで、自分の意図を明確に伝えることができます。例えば、文法的なミスを避けることで、ビジネスメールやレポートなどの書類を正確かつ信頼性のある形で作成することができます。

語彙の習得:文法の学習は、語彙の習得と関連しています。文法ルールを学ぶことで、単語や表現の正しい使い方を理解し、語彙の幅を広げることができます。次のような例を考えれば、理解が容易だと思います。もし、初学者で語彙数が少ない時に「この単語は英語でどう言いますか?」と正しい文法で相手に伝手られれば、時間を無駄にすることなく相手から知りたい単語を聞き出すことができます。このような実地訓練で得た単語は忘れにくいことも科学的に証明されていますので、アクティブラーニングにも文法が必要であることが浮き彫りになります。

言語全体の理解:文法の学習は、言語全体の理解を深める助けとなります。文法のルールや構造を学ぶことで、言語の仕組みや特徴を把握し、より高度な表現や文化的なニュアンスを理解することができます。例えば、小説など文体が複雑なときもある書籍でも正しく文法分析できれば、情報のつながりが見え的ます。そうすれば、正しく表現を理解でき、それは最終的に作家の表現する小説の世界が理解できるのです。

【デメリット】
会話能力の制約:文法の学習に偏ると、会話能力の発展が制約される可能性があります。例えば、文法的な正確性に重点を置きすぎると、自然なスピーキングやリスニングのスキルが育まれない場合があります。

非現実的なアプローチ:文法学習に重点を置く教育アプローチは、言語を自然に習得するプロセスとは異なる場合があります。例えば、子供たちは文法を学ぶ前に言語を話し始めますが、大人の学習者は文法ルールを学びながら言語を習得することが一般的です。ということは、文法項目に都合のいい例文ばかりを学習しがちになり、実際に使用する頻度の低い文内容ばかりになって学習効果が落ちる恐れがあります。

モチベーションの低下:皆さんも文法用語を羅列して分析を解説する授業は退屈だと思うほどっでしょう。やはり、文法の学習は初学者にとって抽象的で難解な側面もあります。文法のルールや例外を覚えることは、モチベーションの低下を招く場合があります。特に、文法の学習だけに集中すると、学習者が興味を持ちにくくなる可能性があります。

以上が、私なりにまとめた文法学習のメリットとデメリットについてでした。次は会話練習の重要性にフォーカスしたいと思います!

1-2. 会話練習の重要性と具体例
前章で、文法偏重の教育が、効果的な言語習得には向いていない側面があることを理解したと思われます。では次に、会話練習の重要性について考えてみましょう。

実際のコミュニケーション能力:外国語学習の目的は、実際のコミュニケーション能力、いわば「生の英語」とか「実践で鍛えたフランス語」といった実用技能の獲得です。会話練習は、実際の会話を行う場合や会話のインタラクションに慣れるために不可欠です。例えば、英語を学んでいる場合、ディスカッションクラスや言語交換パートナーとの会話を通じて、自分の意見を表現し、他者と円滑にコミュニケーションするスキルを磨くことができます。

自信の醸成:会話練習を通じて、学習者は外国語を使うことに対する自信を醸成することができます。例えば、フレーズや表現を実際に使ってコミュニケーションすることで、自分の能力に対する確信を深めることができます。

文化理解と異文化コミュニケーション:会話練習を通じて、文化的な背景や社会的な慣習について学ぶことができます。言語は文化と密接に関連しており、会話練習を通じて異文化コミュニケーションのスキルを向上させることができます。

2. 学習項目のバランスの取り方

それでは、今までの論を踏まえて、学習項目がバランスの取れている外国語の学習環境を作るためには、どのようなポイントに注意することが重要かについて見ることにします。

私なりに考えましたが、効果的な学習を下支えする外国語の学習環境は以下のような要素を含んでいると考えられます。

統合的な学習アプローチ:文法の学習と会話練習を統合的に取り入れることが重要です。文法のルールを学んだ後に、そのルールを実践的な会話練習やコミュニケーション活動に活かすことで、理論と実践を結びつけることができます。特に「使う前提で学ぶ」重要性は非常に高いと言えるでしょう。

実践的な教材と活動:文法学習にとどまらず、実際の会話や文化的な活動に触れることができる教材や学習活動を取り入れることが重要です。ロールプレイやディスカッションのクラス、外国語を使った文化イベントなどが有効です。

コミュニケーション重視のクラス:会話練習を重視したクラスやグループワークを導入することで、学習者同士のコミュニケーション能力を伸ばすことができます。ペアやグループでのディスカッションやプレゼンテーションの機会を設けることで、学習者は自分の意見を表現し合い、フィードバックを受けながらスキルを向上させることができます。

モチベーションの維持:学習者の興味やモチベーションを維持するために、実践的な学習目標や楽しい学習体験を提供することも重要です。旅行のシミュレーションやロールプレイを通じて外国語を使った体験を提供することで、学習者は学びながら楽しむことができます。

どれもごく当たり前のことのように聞こえるので、読者の皆様を落胆させたかもしれませんが「言うは容易いが」という話で、実行には専門知識と教育現場の経験と勘がモノを言うと思います。おそらく、ポリグロット(多言語を操れる話者)や学習攻略を知っているスピードラーナー(熟達速度が顕著に速い学習者)は、何らかの上記のカテゴリーに入る工夫を学習時に独習していると考えることができます。そういった言語取得に長けた学習者や著しい速習者から学び真似ることで、言語習得を効果的にできるスタディハックを身につけられるのではないでしょうか?

3. まとめのひとこと

最後に、バランスの取れた外国語学習の重要性を訴えるメッセージを、改めてお伝えしましょう。

バランスの取れた学習環境を整備することが可能であれば、学習者は文法の基礎を固めながらも、実際のコミュニケーション能力を向上させることができます。会話練習や文化理解を通じて外国語を使いこなすことは、言語学習の真の目標であり、学習者の自信や意欲を高めることができます!!柔軟なアプローチを取り入れ、学習者の成長をサポートすることが、より効果的な外国語教育の実現につながるのです!

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す