シュレーディンガー方程式
i d/dt ψ(t) = H ψ(t)
ψ(t) = ψ
を解いてみよう! というお話です。
まずは、下準備を。
皆様は微分を覚えていますか?
高校生の頃に習うものでしたよね。
何はともあれ、傾きに関係があるというのさえ覚えておけば大丈夫です。
では、傾きとは何でしょうか?
これは次の瞬間にどちらにどのくらい動くのかという情報なのです。
ところで指数関数 exp( t ) というのは、傾きが現在地に等しいという性質を持っています。
ちゃんと書くと、d/dt exp(t) = exp(t) になります。
唐突に出てきましたが、後で使うので覚えておきましょう。
オマケに、微分の公式を一つ紹介しておきましょう。
合成関数の微分というヤツです。
d/dt f( g(t) ) = f'( g(t) ) g'(t)
( f'(t) と d/dt f(t) は同じものです。念為。)
ここまで来ればシュレーディンガー方程式は解けたようなものです。
実際、f(t) = exp(t)、g(t) = -i t H ( H は時間に依存しない。) と置くと
ψ(t) = exp( -i t H ) ψ
が方程式を満たしていることが確認できるのではないでしょうか?
...exp( -i t H ) ってなんだよ。
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これはユニタリ作用素というもので数学的にキチンとしたものになっています。
(もっとも、今回の大雑把な話で何がキチンとしているのかは示せませんが。)
直行行列の強力なヤツ くらいに思っておけば大丈夫です。
量子力学のお話の中でユニタリ作用素が特別視される理由の一つは、今回見たように (孤立) 量子系の時間発展を記述するのがユニタリ作用素だからなんですね。
ということで意外と簡単にシュレーディンガー方程式の解を手に入れることが出来る
というお話でした。
...まあ、exp( -i t H ) ψ が具体的にどんな形をしているか聞かれると困るんですけどね。