とても長い式のお話

記事
学び
q-交換関係と呼ばれるものについてのお話です。

またまた
明出伊 類似, 尾畑 伸明. (2021). 量子確率論の基礎.: オーム社. 
を参考にしています。


いままでのブログの中でボゾンやフェルミオン、自由のお話をしてきましたが、これらは

ボゾン
ヤコビ数列 ω_n = n
交換関係 B^-B^+ - B^+B^- = 1
分布 1/√2π exp(-x^2 / 2)

フェルミオン
ヤコビ数列 ω_1 = 1 以降 ω_n = 0
交換関係 B^-B^+ + B^+B^- = 1
分布 δ_{-1} + δ_{+1}

自由
ヤコビ数列 ω_n = 1
交換関係 B^-B^+ = 1
分布 √(4-x^2) χ_{[-2, 2]}

として (一次元の時は) まとめることが出来るのです。
詳細は『量子確率論の基礎』の第 8 章をみてね。


そしてこの交換関係の部分を

B^-B^+ - qB^+B^- = 1 (-1 ≦ q ≦ 1)

と書き換えたものが q-交換関係 と呼ばれるものであり、上の三つはこの特別なものであったことが分かります。


それでは、これを上のようにまとめてみると...

ヤコビ数列 ω_n = 1 + q + q^2 +...+ q^{n-1}
交換関係 B^-B^+ - qB^+B^- = 1
分布 

√(1-q)/2π Π_{k = 1}^∞ (1 - q^{2k}) Π_{k = 1}^∞ (1 + q^k) √(4 - (1 - q) x^2 ) Π_{k = 1}^∞ {1 - (1 - q) q^k x^2 / (1 + q^k)^2 } χ_{[-2 / √(1 - q), 2 / √(1 - q)]}

...となるそうです。

もしかすると数学的に自然な形なのかもしれませんが、あまり関わりたくない雰囲気の式ですよね。

触らぬ神に祟りなしといいますが、ちょっとした変形でも回り回って大変なことになりうるんだな
というお話でした。
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