カバー画像のような状況は数学的にはそんなに悲惨でもないかも?
今回のお話は
近江 崇宏, 野村 俊一. (2019). 点過程の時系列解析.: 共立出版.
を参考にしています。
この参考にした本のタイトルにもある、点過程という考え方をまずは説明しなければなりません。
これは時刻に応じて確率論的に発生する、交通事故やメールの受信といった瞬間的なイベントの事を指していると考えてください。
数学的には観測開始時刻 0 からある時刻 T までの間のイベントの分布の確率密度が与えられている状況を考えているようです。
(このあたりは『点過程の時系列解析』の定理 3.2 をご覧ください。)
ここまで準備した上で基本的な点過程である定常ポアソン過程を紹介します。
イベントの発生時刻が t1 < t2 <...< tn < T であるような事象の分布の確率密度 (数学的にはビミョウな表現 感じて理解してください) が
λ^n exp(-λT)
で与えられるときこの点過程を定常ポアソン過程と呼ぶ。
一般の点過程は時間変更によって定常ポアソン過程に書き換えられることが知られています。
この辺りはマルチンゲールとブラウン運動の関係にも似ていますね。
このあたりまとめていたら時間が無くなったので前後編ということで
後編へ続く。