【傷病手当金】の『レアな事例・質問』について解説します!

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法律・税務・士業全般
この記事では、傷病手当金の申請について、レアな事例やご質問について解説します。

たくさんの一般的なご質問とは違った、めったにない事例になります。

お仕事をされている方も、会社の総務関係を担当されている方にとっても参考になる事例かと思います。

【レア質問です。】


『感染性胃腸炎(サルモネラ菌による)』により、休業をよぎなくされたため、傷病手当金の申請をしたいと考えています。

ですが、申請書の医師の証明のなかで、医師が労務不能と認めた理由には、

「学校給食調理員のため」「職場の指示を受け受診」「自他覚症状は認められず」「全期間、身体的な症状としては労務可能」「調理員であるため、サルモネラ菌が検出されれば就労は不適」等

の旨、記入されており、身体的に労務不能な状態か否か判断できないような医師の証明になっています。

実際、本人としては、『全期間、就労可能な状態ではあったが、職場の指示で休職していた』状態です。

傷病手当金の給付を受けることは妥当と考えてよろしいでしょうか?

【回答です。】


「病原体保有者に対する傷病手当金の支給について」(昭和29年10月25日保険発第261号)の通知において、

『(略)原則として病原体の撲滅に関し特に療養の必要があると認められる場合は、自覚症状の有無にかかわらず伝染病の病原体を保有することをもって保険事故たる疾病と解するものであり、従って病原体保有者が隔離収容等のために労務に服することができないときは傷病手当金の支給の対象となる(略)』とされています。

感染性胃腸炎については、法令上、『五類感染症』に規定されており(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則第一条第六号)、この場合、法令上隔離収容等の就業禁止にかかる措置はありませんが、

しかしながら、担当医師が被保険者の業種を考慮し『病原体の撲滅に関し特に必要があると認め』、労務不能であると判断したことは妥当と考えられます。

したがって、今回の事例については、保険事故たる疾病と解し、傷病手当金を支給することが妥当となります。

まとめ


「感染性胃腸炎」は隔離収容が必要な”伝染病ではない”のですが、担当医師がお仕事の内容等をふくめ、総合的に労務不能と判断している場合は、

本人が働ける状態であっても、傷病手当金の支給対象になる、ということですね。

ところどころ、難解な用語も出てきたとは思いますが、参考になれば幸いです。



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