世界線の違う場所に迷い込んだ怪談

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最近の投稿怪談で特に興味深かったのが、世界線の違う場所に迷い込んだ怪談です。この投稿者の男性には仲のいい弟がいて、よく2人で趣味のトレイルランニングを楽しんでいたそうです。トレイルランニングとは山の中を走ることです。ある日のこと。弟が友人からある情報を入手します。昭和初期に廃線になったロープウェイの廃駅が現存する場所があるとのこと。そしてその山はまだ2人が1度も走ったことのない山でした。「兄ちゃん、たまには1度も走ったことがない山を走ってみないか?」弟からの誘いを快諾したこの投稿者は弟とは別の車で現地に向かいました。2人の車が別々なのは、同じところに住んでいないのか?それとも山を降りた後で、2人が別行動する予定でもあったのでしょうか?このあたりはこの怪談で触れられていないので一切不明です。現地に着いた弟は兄を置いてどんどん先に進んでいきます。そしてある鉄筋コンクリートの建物にたどり着きますが、投稿者はこの建物に違和感を覚えました。というのも鉄筋コンクリートが比較的新しく、昭和初期の建物とは思えなかったからです。昭和初期と言えば80年か90年くらい前です。この建物は2階建てでしたが、中には何もなく、どうやら途中で建築が放棄されたようなのです。更にはこの建物の場所もロープウェイの駅にしては明らかに不自然というか、駅があるような場所ではなく、この怪談では語られていませんが、とても駅には見えないような外観だったと思われます。またロープウェイを運行させるようなインフラがこの周辺には全くないようなニュアンスをも感じます。2階から1階に降りてきた弟は「兄ちゃん。俺の用は済んだ。もう帰るわ」と一方的につぶやくとすごい速さで山を駆け下りていったそうです。初めて来た山でそんなに速く走れるはずがないのですが、なぜかこの投稿者はまだあの建物の2階に弟がいる気がしたんだそうです。そして帰りにこの弟は交通事故で亡くなりました。検死解剖の結果、弟の目がなぜか白濁していました。目の白濁は通常ならば死後6,7時間後になるものなんだそうです。気になった投稿者は後日、1人で同じ場所に行きましたが、そこにはロープウェイの廃駅があるばかりで、あの建物はどこにもなかったそうです。ふだんの弟は身内の前では僕と言っていたのにあの建物の中ではなぜか俺と言っていたというのも気になります。恐らくあの建物は世界線の違う場所で、建てられた目的は不明ですが建築中に不吉な事故が相次ぎ、そこで作業員の人が亡くなったのでしょう。そのため建築が頓挫し、建物は未完成のまま放棄された。投稿者の弟はその人の霊に呼ばれたのではないでしょうか。通常、何かが起こる場所は心霊スポットや事故が多発する場所や自殺の名所などいわくのある場所と相場が決まっているものですが、今回はその異世界版ともいえるもので非常に珍しい怪談ですね。
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