東京裁判で裁かれなかった人たち

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歴史なんか信じないと寺山修司は言いました。確かにその通りです。言うまでもないことですが、歴史は勝者に都合よく書かれるものです。東京裁判を例に挙げるとわかりやすいです。勝者が敗者を裁くとこうなるという見本です。あの裁判ではなぜか裁かれなかった人たちがいました。まず、海軍の大物たちです。何で陸軍だけが悪とされるのかが、よくわからないですね。アメリカ人が単細胞だと言えば、たぶんそうなのでしょうが、勝てないとわかっていながら戦争を始めたのは海軍ですよ。それ以前に東条英機を首相にするセンスのなさも問題ですがね。何で対米強硬派の東条をもってきたかというと彼が昭和天皇の熱烈な信奉者だから戦争をしないだろうという希望的観測に基づいて起用されたのだとか。今では考えられないほどの有り得ない大悪手です。そもそも陸軍の教科書には事実と希望的観測を混同してはいけないと明記されているのです。海軍の人たちは世界中を演習で回るわけですから戦争に勝てないとわかっていたはずです。何で海軍が善玉で陸軍が悪玉なのかがよくわかりません。そして731部隊や100部隊など細菌戦に従事した人たちも裁かれませんでした。これはわかります。731部隊のトップの石井四郎中将が米軍と取引したからですね。私は帝銀事件の実行犯は731部隊の人だと思っています。25人くらいの容疑者がいて731部隊と登戸研究所の人たちが半々くらいだったそうです。建設班の人の上司がそのリストに入っていて部下にお世話になったとあいさつに来て、その直後に自殺しているのです。私がこの事件を調べてみると酵素を使って青酸を作り出す遅効性の毒です。複雑な化学式が5つも出てくるのです。画家の平沢にそんな専門知識はありません。それにこの毒は化学兵器だから特殊な訓練を受けた人でないと使えるわけがないのです。帝銀事件の映画を撮った監督は撮影前は平沢が犯人だと思っていた。でも撮影が始まってみると主役の人が銀行員の人たちに毒を飲ませようとしてもできなかったんですね。それで仕方なくお医者さんにやってもらって認識を改めたという話があるのです。私も平沢は実行犯ではなく見張り役だったと思います。最後はアヘンで儲けた人たちです。これはもう当然ですよね。この人たちが悪いとなるとアヘン貿易で儲けたイギリスはもっと悪いじゃないかとなるわけです。私は日中戦争はアヘンを取りに行った戦争だと思います。そもそもあの当時の中国は日本よりも貧しくて資源も乏しかったわけです。それでは帝国陸軍の資金源はどこから出ていたかとなるとアヘンで儲けたとしか考えられないのです。けれどもそこには戦略がありません。アヘンを取りに奥へ奥へと進軍すれば食べてはいけるけれども戦争に勝つことはできませんし、だから負けたんだと思います。敵を海に追いやらないといけないのに奥へ奥へと進軍して勝つわけがない。あくまでも私の仮説ですが、語られないところに歴史の真実があると思います。
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