救急車のサイレン🚨、向かってくる時と遠ざかってくる時の音が違うことに子供の頃すごく不思議に思っていたことを思い出します。
そしてサイレンが聞こえると『お迎え来たで』と言ってしまう、謎の風習(?)がありましたが、これは関西独特なのでしょうか?笑
こんにちは!獣医師のほし⭐︎です!
本日はよく遭遇し、尚且つ緊急性の高い疾患、尿道閉塞についてお話ししようと思います!
尿道閉塞とは一体どういう状態なのでしょうか?
名称からも想像できるように、膀胱から続く尿道が何らかの原因で閉塞してしまい、尿が出なくなってしまいます💦
それによって膀胱は過拡張を呈し、腹部痛、膀胱粘膜からの出血が起こります。
尿道閉塞の経過が長くなると、次第に腎臓にも影響が出始め、腎障害を引き起こし、腎障害が重度になると尿毒症、電解質異常になってしまい、最終的には死亡してしまいます。
よくある症例のため、どういう主訴での来院が多くて、どういった処置、治療になるのか、ご紹介したいと思います!
主訴:何度もトイレへ行くがおしっこが出てない。食欲がなく、吐いている。
これがとても多い主訴です。大体この主訴が来ると尿道閉塞は類症鑑別に上がってきます。
動物のお腹を触診し、膀胱が異常に大きくなり、硬くなっている場合は尿道閉塞を引き起こしている可能性が非常に高いです。
その場合、検査内容としては血液検査、超音波検査(レントゲン検査もすることもありますが、私は超音波優先にしています)、尿検査です。
まず採血し、血液検査で身体の状態を把握します。
血液検査は院内で行うと30分程度かかってくるので、その間超音波検査で膀胱や腎臓の形態を確認します。
尿道閉塞であると診断したら、尿道口からカテーテルなどを挿入し、閉塞を解除する処置を行い、膀胱内の尿を抜いていきます。
その抜いた尿は検査を行い、どうして尿道閉塞になってしまったのか、原因を探るため尿の性状を調べます。
閉塞を解除するための処置は痛みを伴うことが多く、動物の負担を考えて鎮静処置を行ってやる場合が多いですが、状態が悪すぎる場合は鎮静のリスクも伴うため、状態に応じて使用します。
閉塞する最も多い原因としては尿石症があり、その結石成分が尿道内を占拠し、詰まらせてしまうことが非常に多いです。
雄犬、雄猫は尿道が雌に比べて尿道が長く細いため、そのような事態に陥ることが多いです(メスでも頻度は低いですが起こります)。
血液検査の結果を見てみると、大体の場合が腎パネルの上昇(BUN、CRE)、炎症指標の上昇(白血球や炎症タンパク)、電解質異常(Na、Cl、K)が認められます。
特に電解質異常、カリウム(K)の上昇が常に危険で、心臓に悪影響を及ぼし、不整脈、心停止に至らせます。
これらの項目の異常値によっては入院治療が必要となります!
私の場合は、動物に尿道カテーテルを付けたままにし、尿量や尿色を観察します。
血管内点滴(静脈点滴)や、抗生剤や制吐剤などの薬剤を使用します。
また電解質異常が重度で死亡リスクが高い場合はそれらによる治療(IG療法、グルコン酸Caの投与)も合わせて行います。
上手くいけば1日でたいぶ状態は改善し、退院の目処が立ってきます。
状況ややることによって様々ですが、大体入院治療費で5〜10万程度費用がかかります💸🌈😫
予防としてはやはり健康診断として尿検査を行い、尿結石成分が存在していないか、また超音波検査で現存する膀胱結石がないかの確認ではないでしょうか?🔍
尿検査は液体状態であれば検査可能ですので、気になる方は尿を持参し、かかりつけの動物病院へご相談されるといいと思います💡
できる予防はしてあげることにより、動物への苦痛、また飼い主様の経済的な負担の軽減になると思います。
ぜひ尿検査、検討してみてはいかがでしょうか!
尿の取り方わからない😣尿検査こういう結果だったけど大丈夫?
気になることがあれば是非ご相談ください!
獣医師⭐︎ほし