お盆休みも終わり、夏が終わっていく雰囲気が少しずつですが、感じられますね。
もう8月の末!学生たちは夏休み終了のお知らせが近づいてきており、なんだかテンションも上がらない日々かと思います。
何を隠そう、私がそうだったように。
こんにちは、獣医師のホシ⭐︎です!
夏休みの思い出といえば、カブトムシ、クワガタムシなどの虫捕りが鉄板かと思います!
その昔、まだ日の出前の早朝すぎる早朝に、父親とカブトムシを捕りにクヌギの木が生えている山へ行ったことを思い出されます。
そんなイベントがあるためか、虫の季節といえば夏!とイメージされる方が多いのではないでしょうか?
いやぁ〜な虫、蚊も出現してきますよね💦
しかし、動物たちの天敵であるノミやダニは秋がメイン活動季節ということはご存じでしょうか?!
よく聞く飼い主様のお言葉で
「夏しっかり予防しているので大丈夫です」
そう言って、9月以降のノミダニの予防を止めてしまう方!
むしろこれからの時期が予防としては大事になってきます⚠️
せっかく夏までしっかり予防していただいたのにも関わらず、秋にノミダニなどの外部寄生虫に寄生されたら、今までの予防が無駄!!😣
とまでは言い過ぎですが、それくらい残念な結果になってしまいます。
「ノミとかダニは見つけたら取ったらいいし、シャンプーするからよくない?🙃」
なんて思っていませんか?
もちろん外部寄生虫本体はそれらの方法で除去できるかもしれません。
しかし、ノミやダニはその虫体内に寄生虫などの感染症を有していることがあり、それらが動物たちの体内に入ることで、別の病気を引き起こす恐れがあります🚨
また、ものによっては私たちヒトにも感染る、恐ろしい病気もあります。
ノミが媒介する主な病気:瓜実条虫(寄生虫感染症)
ダニが媒介する主な病気:バベシア症(原虫感染症)、SFTS(ウイルス感染症)
瓜実条虫とは消化管内寄生虫の一種で、サナダムシと言えばなんとなく想像できるかと思いますが、そんな感じの長い寄生虫です。
人獣共通感染症の一つであり、人間にも寄生する可能性があります。
症状としては下痢や血便などの消化器症状がメインです。
お尻に白胡麻みたいなのが付いてる子がいますが、それは条虫の一部、片節と呼ばれるものであり、それを認めた動物はほぼ条虫に寄生されています。
検査方法としましては、糞便検査を行い、便中に排泄された虫体の一部、もしくは虫卵を見つけることで確定診断いたします。
ノミ駆除を行っていない子で、そういった症状がある子は完全室内飼育であっての完全なノミの侵入を防ぐことは難しく、そういった寄生虫をノミを介してもらってしまっている可能性があるため、かかりつけの動物病院で糞便検査を行っていただくのがいいかもしれません(もちろん他の病気の検査にもなります!)
次にダニが媒介する病気、バベシア症というものがあります。
これはあまり聞きなれない病気だと思いますが、原虫という寄生虫よりもさらに小さい虫(みたいなもの)が、動物のおもに血液成分の一つである赤血球に寄生してしまい、重度な貧血を引き起こす病気です。
重度の貧血は酸素を多く必要としている脳や腎臓などの主要臓器にダメージを与えてしまい、低酸素症となり致死的な病気です。
貧血を引き起こすため元気がなく、ずっと寝ていたり、舌などの色が白ぽくなります。また、呼吸も安静時でも早くなっていることが多いです。
検査としては血液検査で貧血がないか確かめます。
多くのノミやダニに寄生されていても血液を吸う虫のため、それだけでも貧血になることはあります。
そこから更に血液塗抹(ガラスに血液を薄く伸ばしたもの)を顕微鏡で確認し、赤血球に寄生する虫体を見つけます。
またPCR法という遺伝子検査でバベシア症に感染していないかの検査を行うこともあります。(新型コロナウイルス感染症でよく耳にした方法かと思います)
最後にSFTS、重症熱性血小板減少症候群と呼ばれるウイルスにより引き起こされる疾患です。
名称だけでもかなりヤバそうな病気であることは感じられると思いますが、マダニに噛まれることによって我々人にもかかってしまう病気です。
過去に猫を飼育されていた方がこの病気によって亡くなった例もあり、非常に危険であり意識しておかないといけない病気です。
詳しいことは厚生労働省などのHPに記載されておりますので、興味のある方は調べて見てくださいね。
以上より、単に虫の寄生だけではなく様々な合併症を引き起こす可能性があるこのノミとダニ。
もちろん動物のために予防をしてあげるわけですが、それらをすることによっ我々人も病気の予防になります。
かかりつけの獣医師がノミダニ予防を勧める理由は、そういった命に関わる疾患が虫によってかかる可能性があるから予防しようねという意図が込められています。
今まで夏しかやってなかったよって方、やったこと無い方、この機会に今一度考えてみてください!
ワンちゃん、猫ちゃんの健康のこと、病気の予防のこと、気になる症状などありませんか?
ご不安ごとがあれば気軽にご相談くださいね🎵
獣医師⭐︎ほし