「売れる」小説とは? ~最初に感じた「想い」を大切にしよう~

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コラム
「売れる」小説と「面白い小説」は違う。
そして、「面白い」と思うものも、人によって違う。
さらに、人気の出る小説は、時代や時期によっても違う。

こんなにあいまいでふわふわしたものを、
どうやって選別し、ブラッシュアップし、売っていくのか?

編集者をやっていると、「売る」ための試行錯誤として、
上記のような壁にぶちあたる。

結論から言うと、ある程度の売れ行きは予想できても、
本当に売れるもの、ヒットするものは予測できない

毎月、毎月、本を編集、出版して、「こうすると売れるかな」
「こうすると、読者が買ってくれるかな」
「いや、これが売れる要素だろう」と、作家と編集は一緒になって考える。
ある程度、作家さんで決まるというのも真実だし、
売れる作家の作品は売れる。

また、その時代の「売れる要素」を詰め込んだ作品も、売れやすい。
しかしそれは「売れやすい」というだけで、ヒットするのとは違う。

ヒットした作品を後から分析して、「これが売れた要因だ」
といろいろ言うことはできるし、それが編集の仕事でもある。
(ジャンルにもよるが、「売れない」作品はある程度、わかる)

しかし真実は、何が売れるかわからない。

長年、編集をやってきて、「小手先」で売る技を
編み出したり、いろいろやったけど、そんな結論。
そんな結論だけど、「だから面白いんだよな~」とも、思う。
わからないからこそ、面白い。
まるで人生みたい。

そんなもんです。

わからないからこそ、一番大切にしたいのは
「作家さんの想い」。
最初に「これが書きたい!」と思った「想い」です。

小説を書いていって、編集者が「いやこれではだめだから」
と言って改稿する、改稿を読んで「ここをもう少しこうしたほうが……」
そしてまた直す。
直しているうちに、「あれ、私、何を書こうとしたんだっけ?」
となってしまうこともある。

長年プロ作家をやってる方や、すでに人気作家の方は、
そんなことはありませんよ。
アマチュアとプロの境目の方たちの話です。

小説なんて時間のかかるものを書きたいと思ったからには、
「伝えたい何か」があるはずです。
「伝えたい何か」……それは何も、他人でなくてもいいんです。
自分自身に伝えたい何か。
小説を書くことは自分自身を見つめなおす作業とも言いますしね。

その「最初の想い」をぜひ、大切にしてください。
忘れないようにしてください。



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