アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは 実際のやり方

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往診ナース由紀子です♪

ACP、ACPって最近よく言われますが、いったい何なんだ??
誰に何をするの?何からどうすればよいの??

「人生会議」
もしもの時のために、アナタが望む医療やケアについて前もって考え、家族、医療、ケアチームと繰り返し話し合い。共有する取り組みのこと(厚労省)

なるほど!!
延命治療をどうするか、最期は家か病院か、事前に話し合って決めておけってことがいいたいのね!

医療職者は、この文言でなんとなくわかりますが、実際、一般の方でどれくらい最期の時についてご家族と話しできている方がおられるでしょう?

厚労省が、事前に延命をするのかどうか話し合いの場を勧めるのは、医療費のこともあるからと思いますね。

今の日本の財政は、ホントに医療費でひっ迫しております。コロナでも大打撃でしたし。

もう助からない、先は短いとわかっている命でも、ご本人やご家族の意思確認が取れないと、治療をし続けるシステムになっていますので、厚労省は決めておいて欲しいんでしょう。

とはいっても、日本人の国民性で、なんとなくしんどい話は先延ばしにしたい、はっきり聞くのはちょっと気が引ける・・的な性格があると思います。

ましてや、突然交通事故に遭って意識不明の重体になってしまった!
なんか体調が悪いと思って病院へ行ったら、末期がんが見つかって余命数か月 と言われた!など

今まで元気にしていた人が、自分の最期はどうするかなんて話し合っているわけがないですよね(´;ω;`)ウッ…


病気が見つかって余命宣告された人が、
「人生会議」って言われて、さあさあ、話し合いましょうとお膳立てされたら、

これ以上治療しても無駄だから、病院より家に帰ることを勧めてる?
はやく死ぬ場所を決めてって言われてる?と、
誤解を招く恐れがあります。

なので、ACPをしましょうと簡単に言っても、なかなか難しいという現場の声があるんですね(;゚Д゚)

特に、急性期の治療現場では、細心の注意を払わないと、追い出そうとされている!先生に見捨てられた!と誤解されかねませんので、

実際は、あまりそのことに触れずに在宅へ依頼してくる先生が意外と多いのが現実ですΣ(゚Д゚;

そうなると、困るのは往診医師とナース由紀子です(;^_^A


急性期の病院から、在宅の医師へ依頼が来る時の主訴は、
治療でなく、苦痛の緩和です。

ですので、患者さんが在宅の先生に治療をお願いするのはちょっと筋違いで、治療を続けたい場合は紹介元の急性期の先生が対応することなのです。

先生は治療はもう難しいから在宅へ送ったつもりでも、ご本人やご家族は全然納得してなくて、まだまだ治療を続けるつもりだったり、

はじめから医療者に不信感を抱かれていたりと、介入が難しいケースが多々あります。

もちろん、ちゃんと話し合って納得して治療を終えておられる方、今後どうしていこうと前向きに考えられる方さまざまです。

どんな方でも、まず初めに行うことは、

・前の病院で先生からどんな話を聞いたか?理解度を確認することは大切です
・その時の気持ちも訪ねながら寄り添います。
「びっくりされたでしょう?」
「落ち込みますよね」
「つらかったね」

・ここで、治療をしたいという考えが分かったら、いったん紹介元の先生へ「こういわれてますよ??」と返したりもします。

・これまで頑張って治療されてこられたことや、今も頑張っておられることにも寄り添います。

・これからどうしていきたいとお考えですか?と尋ねると
たいていの方は、「ひとまずいけるとこまで自宅で過ごしたい。」
と言われますね。

・これからどうなっていくのか、不安がいっぱいで決められない方がほとんどです。

・決められないで良いですよ。しんどくなったら、一時入院して、また帰ってきても良いし、また、その時々で考えましょうと言います。

・困ったときはいつでも電話して、訪問看護師さんにまず来てもらって、
動くのがしんどくなったらヘルパーさんも来てくれるし

・ベッドも今使っているものから、楽な介護用ベッドへ交換したり、トイレはベッド横におけるポータブルもあるし、

・みんなでサポートするからね!ご家族だけでなんとかしなければってことにはならないから、大丈夫ですよ!と伝えます。

ケアマネ、訪問看護師と密に情報共有しながら、少しの変化も見逃さないように、疼痛コントロール、症状緩和は最優先です!

在宅は土日祝が薬局も休みなので、金曜日に週末乗り越えられるかを考えて、お薬を多めに処方したり、急変時の対応も統一しておく必要があります。

ACPは、一度で終わるものではなく、一度にいろいろ聞けるものでもありません。気持ちの揺れに添いながら、今日はここに関して、明日はこの辺りをって感じで、少しずつ様子を見ながら話を進めていきます。

情報量がキャパオーバーすると、受け止められずしんどい思いをされますので、ホントに慎重に関わっていきます。

【ACPを進めるときの心構え】
最期の話をするということはその人がどう生きたいかを支援することで、
「最期までアナタらしく生きて行こう!」と、
前向きに頑張ろうねというメッセージは必要不可欠です!

精神的な受け止めが一番大事!
「しんどい」「つらい」「もう嫌だ」泣いても、暴れても、

全部当たり前に感じることだから、どんな感情を出しても、いいのいいのそれで当たり前って思いながらそばにいてあげることです。

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