Excelのフォーム機能はそれほど効率的ではない

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Excelで介護支援記録管理システムを作ってみる~3日目

前回までに、介護支援の記録データ、関連する利用者及び職員データの各テーブルをそれぞれワークシートに置いたブックができ上がりました。
後の2つのテーブルは、それぞれ別のExcelブックで管理されているのを、リンク機能を使って擬似リアルタイム的に参照できるようにしています。
擬似リアルタイムと言うのは、リアル化の条件として、リンク元のファイルがデータ更新後に保存されていること、さらにリンク先となるテーブルの更新が適時行われているということです。

これらのテーブルを使って記録データの入力を効率化しようというのが配置したねらいです。
ただ、記録データに必要なのは、テーブルの中の利用者氏名と職員名だけのため、必要の無い項目が多いことには目をつむりますが、もし参照したくなったときは有効です。
さて、次に記録に関連する項目として大切なのが「実施内容」です。
「食事介助」や「排泄介助」と言ったカテゴリー表現の語句を記す項目ですが、この際、言葉を絞り込んだものをテーブル(リスト)として用意することにしました。
こうしたのは、制度的な決まり文句ではない表現について、職員の自由にしてしまうと、例えば「要望への対応」が、「要望の傾聴」「要望の聞き取り」など、様々になってしまう恐れがあるからです。
表現が乱立すると、もし後で検索を行おうとした場合、うまくマッチングせず、データを逃すなど混乱が起きかねません。それを防ぐために、様々な実施内容の表記ルールを一応決めておくわけです。
また内容の項目には、「相談員申し送り」など、利用者の状態の変化等に対して他の職員に注意を促す内容も含めることにします。

下の図で左が職員テーブル、右が実施内容テーブル
#4.png

ようやく、記録データのテーブルに、利用者氏名など関連するテーブルから必要な情報を正確に受け渡すことのできる環境が整いました。
この受け渡しには様々な方法が考えられそうですが、なるべく効率的にできる方法を考えてみました。
そこで最初に頭に浮かんだのが「フォーム」機能です。

ちなみに、この機能を使うには、Excel画面上部右のクイックアクセスツールバーの設定をクリック→その他のコマンドをクリックと進みます。
Excelのオプション画面が表示されたら、コマンドの選択→すべてのコマンド→フォームを選択して追加ボタンをクリックし、最後にOKボタンをクリックすることで、Excel上部にフォームを起動するボタンが表示され使えるようになります。ただしこの機能を使うときは、使いたいテーブルのどこかのセルを選択している必要があります。

下は記録データのテーブルにフォームを表示させた画像
#4-01.png

しかし、使ってみると、この「フォーム」は主に新しいデータ(これからは「レコード」と呼ぶことにします)をテーブルに追加していくときの支援機能にすぎないと思うようになりました。
しかも、使ってみれば、シート上のテーブルに直接レコードを入力するスピードとそれほど大差はなく、さらに、フォームが表示されている間は他の操作がロックされるため、利用者テーブルを参照しその中から利用者氏名をコピーして貼り付ける、と言った芸当ができなくなります。
もし「フォーム」に、他のテーブルなどからのデータが参照でき、入力を補助するような機能があれば良いのですが、残念ながらそのような機能は付いていません。

ならば、ユーザーが自分でカスタマイズできる「ユーザーフォーム」を使って、上記の機能を持たせるようにしてはどうでしょうか。
いろいろ調べてみると、確かにユーザーフォームの機能で、Accessで開発したシステムのフォームと同じようなことが、できなくもないと思いました。
しかし、そのためにはExcelのVBAをがっつり学び、その上で縦横に駆使することが求められます。

そこで、はて?と考えてしまいました。

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