Accessでアプリを開発するって難しい?

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Accessで介護支援記録システムを作った理由-5

自宅用のAccessまで手に入れたあと、その後は仕事でも使うことはなく、時は過ぎていきました。しかし、西暦2000年が明けた頃、思いがけず仕事で使う機会がやってきます。

仕事上の成り行きで、あるNPO団体の手伝いをすることとなり、その収支関係をデータベースを使って管理するものを作る必要に迫られたのです。
実はこの時の経験が、20年後に介護支援記録管理システムを開発することに至る大きな動機付けとなります。

なお、これからは、データベースシステムを分けて、データベース本体(データ)とは別に、マクロやVBAなどプログラムコードを使い、操作を簡便化、自動化したインターフェイス部分をアプリと呼ぶことにします。

作るべきシステムの機能としては、単式簿記による入金と出金の管理、これに伴う確認や決裁書類の作成のみでした。
但し、これを操作するのはパソコンを習いたての中年女性、まだExcelも使えない方でした。もちろんAccessを自力で操作するなんてとんでもありません。
もしもExcelでこれを作った場合、不慣れな操作でデータを消してしまったり、最悪、ワークシート上のテーブルや関数を壊してしまい、使えなくしてしまう恐れは十分にありました。
そこで、データの入力はキーボードから行い、アプリの操作はボタンをクリックするだけで簡単にできるものをAccessで開発することにしました。

その当時の私は、テーブルとそれらを組み合わせてクエリを作るくらいの知識しかなかったため、解説本でフォームの作り方やマクロを急いで猛勉強します。難しいVBAを使うのは完成まで時間がかかると思い、マクロだけで開発することにしました。
こうして、やや手間取りましたが、短期間で何とか動くシステムの完成に漕ぎ着けることができました。
ちなみに、テーブルとクエリぐらい作ることができれば、Accessを大いに活用する事は可能ですので、お間違いなく。

アプリと呼ぶには憚られるほど初歩的でレベルも低いものでしたが、この時初めて、データベースシステム開発のプロではなくとも、パソコンソフト一つで、それなりに業務に役立てられるシステムを自分の力で築く事ができる面白さを知ります。
また、データぺースを操作したいとき、Excelの自由さがリスクとなる場合は、代わりにAccessの硬直性を活かし、パソコンの初心者でも簡単かつ安定的に、データベースを操作できるアプリを開発できる有効性も実感します。

Accessでデータベースシステムを作ることの面白さ、有効性をせっかく知ることができましたが、その後はAccessを仕事などで使う機会は全く訪れませんでした。
結局このアプリの製作が、公務員として最初で最後の経験となるのですが、出来上りに満足してはいなかったため、Accessに関しては不完全燃焼のまま職場を去ることになったのでした。
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