Excelで介護支援記録管理システムは作れるか?

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前回のブログではExcelの使い勝手の良さについて触れましたが、今回はExcelのデータベース機能について語りたいと思います。

Excelではリスト化されたデータを簡単にデータベースにすることができます。活用されている方も多いと思いますが、知らない方のために説明しますと、この場合、リスト化された1行のデータはデータベースで言う「レコード」となります。同様にデータを構成する項目は「フィールド」と呼ばれ、全体を「テーブル」と呼びます。

当初作ったリストはそのままでも並べ替えなどデータベース的な操作は可能ですが、データ数が多かったり、住所録のように後でデータを追加するなどの操作が必要なら絶対にテーブル化したほうが良いです。
また、データの入力規則機能を使えば、入力時に選択用のリストを表示させることができ、これは大変便利です。

Excel2013以降のバージョンでは、制限はありますが、Accessが持つリレーショナルデータベース(RDB)機能も備えるようになりました。
これは、2つのテーブル、例えば商品の売上データのテーブルと営業担当者のテーブルを関連づけ、ピボットテーブルというものを使い、例えば担当者ごとの売上額の集計を行うことができるような機能です。この程度であれば、何も専門的なAccessなど使う必要はないかも知れません。

私が介護施設に勤務していたときは、Excelで必要な情報を集めたテーブルを作り、そこから該当する情報を抜き出して、個別の書類を作成するようなシステムを沢山作り上げました。
例えば、訪問介護の毎日の稼働データから集計を含む日報や職員ごとの実績表を作ったり、入居者全員の1年間の収入等の情報を把握しながら、役所に提出する個別の状況調査書を出力するようなシステムです。

それでは、Excelを使って、私がAccessで開発した介護支援記録管理システムのようなものを作ろうとするとどうなるでしょうか。
答えは『できなくはない』です。

介護記録管理システムの目的は、法的に施設に義務付けられた入居者動静の記録付けにありますが、一つひとつの記録はすべて4W1Hに相当する項目で構成されており、全体として一つのテーブルになります。
Excelワークシートは最大行数が約100万、セル内の最大入力文字数は3万ですので、期間を分けることで、データ入力に大きな支障はありません。また、共有ブック機能を使えば、同時に複数人で入力作業を行うことも可能です。
Accessで作成した介護記録管理システムと同じように、ExcelのマクロやVBAを使って、該当する日付の記録や利用者ごとの記録を簡単に出力させることもできるでしょう。

では、なぜそうしようと思わなかったのか、その理由については次回に譲ることにしましょう。
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