加給年金とは?

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法律・税務・士業全般
前回のブログで「経過的加算」についての解説をしました。

本日のテーマは「加給年金」についてです。

「加給年金」とは厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方に、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で生計を維持している配偶者または⼦がいるとき、自身の年金に加算されます。

言わば年金版の家族手当のようなもののことです。

受給要件は以下です。

・主として生計を維持している者の厚生年金の加入期間が20年以上あること ※1

・上記の者に生計を維持されている65歳未満の配偶者または子がいること

※1. 中高齢者の特例については割愛します。

具体的な要件と加給年金額は以下表をご覧ください。
加給年金額.png
この他に「配偶者特別加算」が行われるため、受給権者である夫の生年月日に応じて配偶者加給年金に特別加算が上乗せされる仕組みになっています。

特別加算額は以下をご参照ください。
特別加算額.png
但し、生計を維持されている配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上の場合に限る)、退職共済年金(組合員期間20年以上)を受け取る権利があるとき、または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されてしまいますので注意が必要です。

令和4年3月までは、配偶者に対する給付が全額支給停止されている場合には、加給年金が支給されることとなっていましたが令和4年4月以降は、配偶者の老齢または退職を支給事由とする給付が全額支給停止となっている場合にも 、これらを受け取る権利がある場合は、加給年金は支給停止されることとなりました。

※障害を支給事由とする給付については変更ありません。

以下が改正のイメージです。
加給年金停止.png

上記①②の経過措置の条件に該当する場合、加給年金は引き続き受給できるわけです。
以下が経過措置のイメージです。
加給年金停止経過措置.png
例外や経過的措置があってややこしく感じますが一般的にこれから年金請求をされる方の加給年金額を具体的に計算してみましょう。

例えば生計を主に維持しているのが夫とし、夫の生年月日が昭和18年4月2日以降で妻が年下とします。

この場合、配偶者の加給年金額は本来の228,700円、これに加えて168,800円が特別加算されます。

228,700円+168,800円=397,500円

さらに子供が2人いる場合は

397,500円+228,700円 × 2=854,900円

何と年間約85万強もの加給年金を受け取れることになるのです。

加給年金は妻が65歳に達するまで、子供が18歳の年度末に達するまでという年齢制限がありますが、

家族手当としてこれだけもらえるのは有り難いことですよね。

最後に「経過的加算」とは違って「加給年金」を受給するためには届出が必要なので皆さん注意しましょう!

本日はここまで。

「加給年金」についてでした。

次回は「振替加算」についてお話したいと思います。
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