こんにちは。現場に強い・事業が分かる・経営企画マンのおりひこです。
今回は仮想企業の財務分析レポートを作成いたしました。
2020年度と2021年度の財務諸表の比較しましたが、その数値を見ると、コロナ禍の影響をもろに受け、売上高が前年比58.8%に激減という危機的な状況でした。なかなかリアルな数字でしたので、おそらく実在する企業のものなんじゃないかなと思いました。それでは早速中身を見ていきましょう。
まずはB/S(貸借対照表)を見ると、まず目が行くのが利益剰余金が大きく減少しています。資産等の売却は行っていないため、それを補うために借入金が増加しています。(文中の単位は百万円)
・短期借入金の増加 510→3,370
・長期借入金の増加 1,207→2,056
・利益剰余金の減少 4,449→2,566
利益剰余金の減少は当期純利益のマイナスによって起きていますが、その原因はどうやら販管費比率の上昇にあるようです。
・営業利益の減少…△55(-0.1%)→△2,336(-6.2%)
・販管費比率の上昇・・・13,222(20.5%)→10,200(26.9%)
売上が激減しているにもかかわらず、販管費を抑えることができていないようです。これは今後の売上予測によっては、相当厳しい経費削減を避けられない状況です。
あと気になる指標は下記のとおりで、自己資本比率はちょっと不安な感じです。また、借入金を増やしているにもかかわらず、売掛金の回収は進んでいませんし、棚卸資産回転期間も増加しており、運転資本を増加させる要因となっています。どうやら随分のんびりした会社のようです。
・自己資本比率の減少 26.9%→16.6%
・売上債権回転期間(日) 28.6→44.1
・棚卸資産回転期間(日) 18.5→29.0
・運転資本 189→1,255
こんな感じで、財務諸表を見るだけでもなんとなく会社の動きが想像できるようになります。財務諸表の見方がイマイチわからないよという方がいらっしゃいましたら、下記のサービスもございます。楽しく分かりやすいビジネスフレームワークの使い方をお伝えいたします。ぜひご利用ください。