日本でQR決済サービスがイマイチ普及しない理由

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ビジネス・マーケティング
こんにちは。現場に強い・事業が分かる・経営企画マンのおりひこです。
以前、上海で駐在員として働いていたことがあります。

中国では小売店、飲食店は言うまでもなく、交通機関、観光地、映画館、ゴルフ場など、アリペイとウィーチャットペイの2つのサービスが中国社会の隅々まで普及しています。飲み会の割り勘なんかも、アプリで送金し合って終わりです。

一時期、中国では物乞いまでQR決済を使っているということが話題になりましたが、これはホントのことです。ちなみ上海で日本人がたくさん住んでいる街を歩いていると、財布を落とした電車代を貸してくれという中国人の怪しいオジサンとたまに出会いますが、そういう人たちですらQR決済です。

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なぜ中国でそこまでQR決済サービスが普及しているかというと、決済サービス利用料がゼロだからなんです。個人はもちろんのこと、小売店、飲食店などの事業者から詐欺師、物乞いまで、みんな手数料が無料だから使いまくるのです。

これはアリペイやウィーチャットペイが決済手数料をビジネスとして捉えていないことがあります。中国版のアリペイやウィーチャットペイを見れば分かるように、電気水道代、電話代の支払いに始まり、買い物、配車、宅配便、投資、保険などの各種サービスの決済ポータルとして、存在していることが分かります。

小売店から手数料を取ると普及しづらくなってしまうのを避けるため、ペイ機能はあくまでポータルとして割り切り、その他の決済に紐づくサービスから利益を出すという事業構造が為せる技なのです。

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さて、日本で決済サービスが普及しない理由。それは小売店、飲食店などの事業者への手数料が原因です。各社の小売店の手数料は下図の通り。

 ・auPAY…2.6%
 ・PayPay…1.98%
 ・楽天ペイ…3.74%
 ・d払い…2.6%

クレジットカードと比べて比較的安いのはありますが、後発のQR自体の普及具合を考えると導入は微妙ですね。残念ですが今後もQR決済が日本に定着することはなさそうです。

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