[鍵穴の向こう側]
クラフト・ディスプレイ/発泡ウレタン/リキテックス
1600mm×1600mm
むかしむかしのお話しでございます。
あるところに、絵描きが住んでおりました。
模型やプラモデルを作る事が好きだった絵描きは、
描いた絵を立体にしてみたい!
オリジナルのキャラクタを立体で作る仕事がしたいな~
と考えておりました。
ある日のこと、一本の電話がリンリンリン!!
もしもし くりふぁみのわさびさんですか?
はい!
わさびさんがキャラクターを考える事が好きだと聞いて
お店のウインドにオリジナルのキャラクターを使ったオブジェ的なディスプレを飾りたいと思ってお電話しました。
はい~。
あー 自分
ウインドディスプレってやったことないんです・・・
大丈夫ですよ、簡単な物でいいんで・・・
やったことなくて・・・
いいんですよ、簡単な物でいいんで・・・
そうですか~簡単な物でよければ・・・
それ~もしかして・・・
空間デザイナ~の○○さんからですか?
はい!!!!
実は、いろいろとあたったんですが、
やって頂ける所がなくて・・・
○○さんから、
打ってつけの方がいると推薦して頂いでお電話しました。
師匠でした。
内容によると、
900mm×900mm位のディスプレ
春 夏 冬 3回に分けて提案してほしい。
まあ、普通のサイズで問題はなさそうなのです、
そこで
鍵穴の中から季節に合わせた世界が見えるというコンセプトで
縦のサイズを900㎜に合わせ横をウッドラック(発泡の板)隠すという案でまとまりました。
その時のラフ画です。
[落とし穴1]
数日後
施主様の事務所で打合せ
現場は工事中との事で見る事が出来ずそもまま製作に入りました。
[落とし穴2]
ディスプレー設置当日
現場で目にした物は、
化粧品を前から入れるショーウインドウ!タイプ。
そして大きい!
話を聞きながら、頭の中は電卓が鳴り響きました。
サイズが違う、
作ってきたオブジェが入らない
そしてウッドラックも足りない。
予算内では無理だなと・・・
あの~
聞いていたサイズと違うのですが・・・
ああ、小さくしようと思ったんですけどね・・・
そのままやってください!
えええ!
打合せのメールも二転三転していたな~
断られ続けた原因が分かりました。
ちょっと、写真撮影に失敗しました。
分かりずらいと思いますがペラペラのウインドです。
扉が前にしかなく奥行きが20㎝ほどしかありませんでした。
何もはいりません。
そして図ると1600㎜×1600㎜・・・
鍵穴の周りのウッドラックを追加購入し木目を描き貼り付けました、
何とかサイズを埋めた。
制作した造形物がこちらです。
立体のオブジェを作り、
現場で奥行きに合わせて後ろ側をガッツリカットして固定しました。
奥行きの確認を忘れたのは自分の責任、
施主様の考えるディスプレイの価格はかなり安く見られていました、
そして、思い出すのも恐ろしい金額で製作、
勉強代ということで破格の値段で持ち出し製作した処女作です。
[落とし穴3]
1回の費用としても破格の値段、
しかし
季節に合わせて年3回の入れ替えディスプレイ値段だったのです。
やられました!
初めてのディスプレー製作で造形を作る事が楽しい+かなりのノウハウ蓄積に役立ちました。
材料費(3回分) + 製作費1点製作日数6日間×3点 + 設置工事費 + 交通費= かなりの赤字になりました。
時給換算(1,000円)で計算。
簡単な物でいいと言われて受けたお仕事、
かなりのダメ出しで辛かったことを思い出します。
まだまだ社会に出たばかりの若僧の身分で、
社会でもまれ生きている先輩にコテンパンにやられた経験です。
ディスプレーを始めたい方は、
後から追加条件が増えないよう前持っての確認がかなり重要、
始める前に現場の確認と料金設定と材料費 製作期間 時給換算
の制作する事をお勧めします。
おしまい。