ちょっとした違和感③

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コラム
「ウラからのぞけばオモテが見える (佐藤オオキ/nendo・10の思考法と行動術)」
佐藤オオキ (著), 川上典李子 (著), 日経デザイン (編集)

さらにつづきです。

この本の最後にデザインについて書かれていました。

「学校で教えるデザインは、サッカーで言えばPK(ペナルティキック)」
つまりボールが止まっていて、デフェンダーもいないPKが上手くなってもそれだけでは社会に出てデザイナーとして働くには足りないということです。

「試合では相手がいて、ボールが常に動いている。体調、ケガ、ピッチコンディション、サポーターなど様々な状況の変化で試合をしなければならない」。

僕自身もスキルは最も大事だと思っていたし、スキルがあれば何とかなるだろうと漠然と思っていたところがあります。
だからスキルを日々伸ばしていかなければと思ってもいました。

しかし、仕事をする上では相手がいて状況が違う。
人によって何を求めているかは異なります。
だから、スキルがあっても相手の要求を正しくキャッチしなければそれが生かせない。

かなり以前に、ショップカードの依頼を頂いた際、希望のデザインを聞いたところ、イメージカラーが青なので背景色を青にしてほしいと言われました。
明るい青ですか?濃いめの青ですか?と聞くと「本当の青でお願いします」と言われたのでドキッとしました。
「本当の青」って何だろう?
その人にとっての確固とした青のイメージがあったのでしょう。

「かっこいい」も人によってどんなのが「かっこいい」かは様々。
それを「こっちの方がかっこいいですよ」とゴリ押ししていては仕事をなくすだけ。

人それぞれの持つ感性や環境は異なるから、同じ言葉でもイメージするものが違うのは当たり前です。

「試合には相手がいてボールは常にボールは動いている」
案外忘れがちだけど、改めて思い返すと沁みることばです。

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