【お墓はいらない⁉】終活の必須項目|あなたは、どこに、どんなお墓を建てますか

記事
コラム
「お墓問題」は、終活をする上で避けては通れない課題です。
近年では「自分のお墓はいらない」という人も増えています。
「お墓の維持や管理が大変」「子どもたちに負担をかけたくない」「お墓の管理を頼める人がいない」「お墓というものに意味を感じていない」という声も聞こえてきます。
そもそも、わたしたちにとって“お墓”とはどんな意味があるのでしょうか。
人生100年時代、自分の生き方を考えるのと同じように、自分が亡くなった後についても考えておくことが大切です。
ここでは、女性行政書士が“お墓”について徹底解説します。
お墓の意味や種類、費用や法律に関すること。そして「お墓はいらない」という方には、どのような埋葬方法や供養の方法があるかも紹介します。
この記事を読んだら、「自分のお墓は、こんなふうにしたいなぁ…」というぼんやりした思いが、クリアになると思います。ぜひ最後までお付き合いください。

ohaka-grave2.jpg

時代の変化とお墓の多様化

時代の変化とともに、お墓に関する考え方やお墓のスタイルも多様化しています。これまでは「亡くなったら、家族のお墓に入る」というのが一般的でしたが、そういった慣習も最近は変わってきました。
お墓は遺骨の収納場所としての役割のほか、故人を偲ぶ場所としての役割もあり、その人が生きた証だともいえます。近ごろは、生前に自分のお墓を用意しておく人も増えています。
代表的なお墓の種類と、その特徴を解説
お墓にはさまざまな種類があります。ここでは、代表的なお墓の種類と、その特徴を紹介します。

▼家族墓

家族が代々継承するお墓です。墓地の所有権は家族が受け継ぎ、維持管理を行います。一般的には、墓石に家族の名前や家紋などが刻まれています。故人や先祖を偲び、自分のルーツを感じる場所とも考えられています。人生の転機を迎えたときなど「お墓参りに行こう」と思うのも、こういった風習からですね。

▼公営墓地

公営墓地とは、自治体や公共機関が管理・運営する墓地のことです。たとえば、納骨堂や霊園、共同墓地などがあります。

▼納骨堂

建物の中に多くの方の遺骨を安置する納骨堂は、一般的な墓地に比べると狭いスペースに遺骨が収容されるため、比較的安価で購入することができます。また、維持や管理の負担が少ないこともメリットです。

▼宗教墓地

宗教墓地とは、宗教的な背景や信仰を共有する人たちが、お墓を建てたり、遺骨を安置するために利用する墓地のことです。仏教・神道・キリスト教などの宗教や宗派によって、お墓の形態や墓石に刻まれる文字に特徴があります。

ohaka-grave3.jpg


 家族墓、公営墓地、納骨堂、宗教墓地 それぞれのメリットとデメリットを比較

ここからは、それぞれのお墓のメリットとデメリットを紹介していきます。

【家族墓】
メリット:
家族が同じお墓に埋葬されることで、永遠に一緒にいられる感覚や、絆を実感できる。
墓石のデザインや形式を自由に選べる。
代々受け継がれることで、家族の歴史や伝統を守ることができる。
デメリット:
お墓の管理や清掃などを自分たちでお墓の管理や清掃などを行う必要がある。
墓地の維持費用を、誰が負担するかが問題になる。
内縁関係などでは、一緒に埋葬できない場合がある。

【公営墓地】
メリット:
墓地の管理や清掃などが公営で行われるため、手間が省ける。
管理費が比較的安い。
公営のため、信頼性が高く、運営が安定している場合が多い。
デメリット:
墓石や埋葬の形式を自由に選べない場合がある。
墓地の利用期間が限られている場合がある。
家族を一緒に埋葬できない場合がある。

【納骨堂】
メリット:
市街地にあることが多く、アクセスが便利である。
永代使用料が安く、管理費も安い場合が多い。
気軽に訪問することができる。
デメリット:
遺骨をおさめるためのスペースが限られているため、後から入ることができない場合がある。
墓石がないため、お参りに行った際に、見つけにくい場合がある。

【宗教墓地】
メリット:
宗教や信仰心にあった形式で埋葬できる。
デメリット:
信仰に基づく行事への参加や料金が必要な場合がある。
宗派によっては、葬儀や墓地の使用に制限がある場合がある。
墓地のスペースが限られていて、空きがない可能性がある。

ohaka-grave4.jpg

お墓に関する3つの費用

お墓にかかる費用は、建設費用や維持費用、管理費用に分かれます。以下ではそれぞれについて説明します。

お墓にかかるお金とは? 建設費用・維持費用・管理費用

ohaka-grave5.jpg

【建設費用】
 お墓を建てる場合、建設費用がかかります。一般的には、墓石や墓石台座、位牌、灯篭などが必要です。これらの費用は、大きさや素材によって異なります。例えば、大理石の墓石や台座は高価ですが、花崗岩や石灰石などは比較的安価です。また、彫刻や刻印を入れる場合は、追加費用が発生することがあります。墓地によっては、建設費用が無料で提供される場合もありますので、確認してみましょう。

【維持費用】
お墓を維持する場合、定期的な清掃や修繕が必要となります。具体的には、落ち葉やゴミの掃除、墓石の洗浄、草刈り、花の植え替えなどが必要です。これらの作業は、自分で行うか、専門業者に依頼するかによって費用が異なります。自分で行う場合は、道具や資材の購入費用が発生します。専門業者に依頼する場合は、作業内容や業者によって異なりますが、1回あたり数万円から数十万円になる場合もあります。

【管理費用】
管理費用は、墓地の種類や所在地、サービス内容によって異なります。例えば、公営墓地や宗教墓地の場合は、管理費用が無料または安価で提供される場合があります。一方で、民間の墓地や納骨堂の場合は、管理費用が発生する場合が多いです。管理費用は、年間数千円から数十万円になる場合がありますので、契約前に確認しておくことが大切です。

お墓の費用を節約する方法や補助金制度など。お墓を建てる際に知っておきたいお役立ち情報

【memo1. まずはしっかり費用を検討】
お墓の費用を節約するためには、しっかりとリサーチを行い、比較検討することが大切です。例えば、お墓の場所や規模を見直すことで建設費用や維持費を減らすことができます。

【memo2. お墓の種類によって料金が変わる】
お墓の種類によっても費用は異なります。家族墓や宗教墓地は建設費用が比較的高いといわれています。公営墓地や納骨堂は安価であることが多く、管理や維持費用も抑えることができます。

【3. 補助金制度も検討してみよう】
自治体によってお墓を建てる費用の補助金制度が設けられている場合があります。自治体のウェブサイトなどで確認してみましょう。

お墓に関する訴訟やトラブル…実はけっこう多いんです

お墓には、土地の取得や墓石の設置、管理など様々な法律上の問題があります。たとえば、土地の所有者が違う場合や、墓地の所有者と管理者が別の場合、法的な問題が発生することがあります。また、法律に違反してお墓を建てた場合、罰金や撤去命令などの処罰が課せられることがあります。

また、お墓に関するトラブルや訴訟事例もあります。たとえば、隣接するお墓との境界線の問題や、墓石が倒れたり崩れたりした場合の責任の所在などでトラブルが発生することも。こういったトラブルが発生した場合は、専門家に相談しましょう。

お墓の歴史や意義|世界にも目を向けてみよう

日本におけるお墓の歴史は古く、古代から皇族や貴族のお墓として大きな墳丘墓が築かれてきました。一般的なお墓としては、山や森に簡単な石塔を建てていたものが、その後、仏教が伝来すると、寺院にお墓が建てられるようになりました。江戸時代には、家族単位の墓や地蔵盆なども一般的になりました。現代では、さまざまなお墓があり、形や規模、価格帯なども多様化しています。

また、世界各国に目を向けると、観光名所となっているお墓もたくさんあります。
例えば、イタリアのフィレンツェにあるメディチ家礼拝堂はお墓でありながら、美術館のような美しい内装や、バロック様式の豪華な彫刻が施されています。
さらに、アメリカのニューオーリンズには、凝った装飾の墓石が立ち並ぶ「セントルイス墓地」があり、その独特の風景が多くの人の心をとらえています。
海外に行って、偉人や著名人のお墓をめぐるのが趣味…というかたもいらっしゃいますね。
お墓というと、「薄暗くて、ちょっと怖い…」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、世界に目を向けると、死後の世界の考え方や、お墓の意義、価値観もそれぞれです。
国内でも、地方によってお墓の考え方は違います。沖縄では墓地で酒盛りをする独特の風習もあります。お墓参りの際に、お酒や食べ物をお供えし、一緒に酒盛りすることで故人とのコミュニケーションをはかるのだとか。故人を大切に思い、敬う気持ちからなるステキな風習だと感じます。
お墓には家族や先祖を敬い、供養するという重要な意味があります。また、お墓を訪れることで、自分自身が生きる上で大切なことを考える機会にもなります。お墓を通じて、過去の人々の生き方や信仰、歴史を学び、それを未来に繋げることができる場所なのです。

ohaka-grave6.jpg


お墓もSDGsの時代。環境問題にも目を向けよう

お墓は、長い年月をかけて培われた人々の想いが宿る場所です。また、今後も長い年月にわたり、地球上に存在し続けるものです。
そのような特性から、お墓が環境に与える影響についても考えておく必要があります。
お墓の建設による緑地の減少、お墓を建設する際に排出される有害物質が地下水や大気を汚染することも事実です。
墓石の原料となる石材も、地球の有限な資源です。墓石は、石の産地や含有物によって手触りや光沢も変わります。
見た目や高級感ももちろん大切ですが、環境問題にも目を向けた上で、墓石を選ぶことも大切です。
お墓がもたらす環境への影響を考えた結果、地球にやさしい樹木葬など選ぶ方も増えています。
お墓は大切な場所である一方、地球環境に与える影響も大きいため、環境についても配慮することが必要です。

ohaka-grave7.jpg


お墓のデザインも多様化しています

近ごろは、お墓のデザインにこだわる方も増えてきました。以前は、お墓の形状というと縦長の墓石が一段もしくは二段になっている「石塔墓」が一般的でした。最近では、この墓石の形状にもさまざまなものがあり、好みにあわせて選べるようになっています。
また墓石の彫刻にも趣向を凝らす方も増えています。
故人の名前や生年月日、没年月日を記すだけでなく、座右の銘を刻んだり、ロゴやキャラクターを彫り込む方もいらっしゃいます。
お墓のデザインは、あなたの美学の集大成です。その佇まいは、多くの人々にとって大切な象徴となり、あなたを偲ぶ場所となることでしょう。

お墓に限らない、供養の形はいろいろ

お墓に遺骨を納めるのではない、供養の形もあります。例えば環境にも配慮した樹木葬。遺骨を粉状にして海や山にまく散骨や、遺骨をロケットで宇宙まで飛ばす宇宙葬といったスタイルもあります。そのほか、遺骨を手元に置いておく手元供養といった形もあります。どのような形の供養を望むかは、その人次第。自分の生きた証として、好みのスタイルを選べる時代です。

ohaka-grave8.jpg


まとめ

高齢化社会はますます加速化し、終活という言葉も広まりました。わたしたちの人生は「死んだらそれで、おしまい」ではありません。元気なうちに終活に取り組んでおき、残された人たちが困ったり、迷ったりしないよう、さまざまな準備をしておくことが大切です。

Certified-mail-naiyou-syoumei8.png


この記事では、終活の一環として「お墓」について紹介しました。
以下に“終活”に関するサービスをご紹介しておりますので、迷うことや悩むことがあれば、ぜひお問い合わせください。



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す