【疑問】「寒波」ってどういう現象? “強い/弱い”はどうやって決まる?

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【疑問】「寒波」ってどういう現象? “強い/弱い”はどうやって決まる? 気象予報士に聞いてみた


冬の時期、天気予報などでよく耳にする「寒波」という言葉。しかし、寒波がどのような影響を及ぼすのか、あなたは正しく知っていますか。
「普通に寒いときとどう違うの?」と疑問に思ったことがある人もいるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。
「寒波」とはどのような現象のことなのか、気象予報士のきりたんさんに教えていただきました。


「大寒波」は1週間近く影響を受けるケースも
Q.気象用語としての「寒波」について教えてください。

きりたんさん「『寒波』とは、2日以上にわたって強い寒気が日本の上空にやってくる状態を指します。
冷たい空気が広範囲にわたって急激に入り込むため、気温の低下が顕著に起こりやすく、暴風雨や大雪などにつながることもしばしばあります。
通常の寒波は、そこから1~2日かけて徐々に冷え込みが弱まりますが、『大寒波』などと表現される規模のものは、1週間近くも寒波の影響を受け続けるケースもあります」



Q.冬の「寒い日」と、「寒波が来ている」状況の違いとは。

きりたんさん「寒波の影響がなく、『ただ寒い冬の日』というのは、上空が厚い雲で覆われていて太陽の光が地上に届きにくく、なかなか気温が上がらないというケースも考えられます。
とはいっても、さすがに寒さの原因全てというわけではありませんが、寒波の存在が冬場の寒さに影響を及ぼしていることは間違いありません」



Q.「強い寒波」と表現することがありますが、強い/弱いの条件はどう決まるのでしょうか。

きりたんさん「日本の冬は『西高東低の気圧配置』で、低気圧が発生しやすい状況になっています。
東の日本海側には、ロシアや中国大陸からやってくる重く冷たい季節風によって『シベリア高気圧』が発生し、冷たい空気が日本の低気圧めがけて流れ込んできます。
シベリア高気圧と日本の低気圧の気圧差が大きいほど、風速も強くなり、強い寒波として日本に迫りやすくなるという仕組みです。

これは天気図によっても見ることができ、大陸と海上にある『等圧線』の隙間が小さければ小さいほど、寒気が強いということが読み取れます」



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「明日から寒波が訪れます」といった言葉を冬場によく聞きますが、「実際のところ寒波って何?」と思っていた人もいるのではないでしょうか。
「ただ寒い日」との違いを知ると、防寒だけでなく、大雪や、万が一の災害などへの対策にも役立てられますね。



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