白か黒 ■離婚編_5■

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コラム
私はとても冷静だった。
なんでか分からないんだけど、とにかく冷静な感じ。
母はとても心配してくれたけど
ちょっとそれすら鬱陶しいと思ってしまった。
主人から電話が来た。
しばらく実家にいると言うと
「分かった」と一言。
そこから1週間後くらいだったかな
主人が実家に来たのは。

その時点で私には決めていることがあった。
が、まずは主人に対し聞いてみた。
「私がこんな目にあっても腹が立たなかったのか?」
主人は答えた。
「立ってるよ」
「でも、俺の親を見てくれなかったから・・・」
あーそこ?
そこですか?
急に芽生えちゃったのね、親への愛が。
面倒を見たこともない奴が言っちゃうんだもんなー
笑えるよ。
拒否したことは悪いと本気で思ってた。
でも、そんな気持ちも吹っ飛んだ。
ま、今回はそこじゃない。

そんなことを言ったくせに
戻ってきて欲しいという主人。
なので私は冷静に条件を出した。

「Aの家に行き、Aの奥さんの前で謝罪させること」

それがどんなに残酷な事か
A夫婦を壊す事にもなりかねない
Aの奥さんをどれほど傷つける事になるか
分かっていて、私は言った。
案の定、主人は拒否した。
知ってるよ。
だって一番大事なのは「友達」だもんね。
でもそれが出来ないのなら帰らない。
母が初めて主人に文句を言った。
お陰で主人はこの条件をのむことになった。
母よ、ありがとう。

主人に言ってやった。
「友達が大事って思ってるの、自分だけだったね」って。
主人は答えた。
「そうだな・・」と。

今はそれこそ冷静に書けるけど
当時の私は本当にショックだった。
この辺りからの記憶は
何十年経っても鮮明に覚えている。
それくらい辛い出来事だった。

次の週、主人はAに連絡を取り
実家に私を迎えに来た。
その足で、Aの家に向かった。
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