生ごみリサイクルのお話です。SDGs Goal #12「持続可能な生産消費形態を確保しよう」

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コラム
家庭から出る生ごみは、4人家族の場合、一日約500g。
多くに自治体では、燃やすごみとして回収していますが、
実は、生ごみの90%は水分なので、燃焼させるエネルギーも
結構かかるそうです。
そんなゴミを地域の宝物に換え、その活動を通じて
コミュニティの活性化にもつなげているのが、
福岡県にあるNPO法人循環生活研究所です。

「コンポスト」
という言葉を聞いたことがありますか。
生ごみと土壌改良材を混ぜ、好気性(酸素を必要とする)微生物の力によって
生ごみを分解して作った堆肥のことです。
身の回りにある生ごみや、落ち葉や雑草などの栄養は、
はたらきものの微生物によって堆肥に変身するのです。
栄養たっぷりでバランスの良い堆肥で育てた野菜は、甘みが強くて
香り高くみずみずしいそうです。
循環生活研究所は、ダンボールを使ってこのコンポストをつくり、
できた堆肥を回収して野菜作りに利用し、収穫された野菜を
コンポスト提供者に提供するという循環をつくりました。

名古屋市や神戸市も、ダンボールコンポストの作り方を紹介していますが、
出来たコンポストは自家利用を想定していて、定期的な回収までは
していません。
循環生活研究所のダンボールの中には、コンポスト基材が入っているので、
自宅で生ごみをダンボールの中に入れて、毎日かき混ぜるだけで、
他には何も加える必要ありません。
これまでのゴミ出し・回収・焼却の負担軽減、
二酸化炭素CO2の削減、ごみ袋代も減る、おいしい野菜が育つ、
良いことばかりです。
大規模な回収システムを作るのではなく、半径2 kmの中で、
顔の見えるリサイクルを実施する「ローカルフードサイクリング」が
この活動のポイントです。

地元の若者が回収活動などに参加するのみならず、
一人暮らしの高齢者にもこのコンポストボックスを預けて、
回収や定期的な土混ぜのときに、
体調を確認したり、困りごとを聞いたりするなどの
見守り活動を行っているそうです。
地域の子供たちも参加できる野菜収穫や、収穫した野菜を
マーケットで販売するなど、生ごみがきちんと循環していることを
体験できます。
小さな循環ですが、こんな循環の輪がいくつも出来れば
大きな影響が生まれそうですね。
大企業でなくても、地元の方も参加できるSDGsへむけたの活動ですね。

SDGsマイスターの須田吾郎でした。
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