ご覧いただきありがとうございます。
理学療法士で公認心理師のまじいです。
読者のあなたは、『リハビリ』を受けていますか?
もしくは、過去に『リハビリ』の経験があるでしょうか?
この記事は『リハビリ』に関わったことが一切ないという方にはあまり参考にならないかもしれません。
『リハビリ』を受けている・受けたことがあるというあなたは、担当の療法士や関係者に十分に話を聞いてもらえていますか?
話というのは、挨拶や日常会話ということではなく、もっと深い話です。
もしもあなたが、
✅️そういえば、話を聞いてもらったことがないな
✅️話を聞いてもらう必要なんてあるの?
✅️話!聞いてもらってない!!聞いて欲しい!!!
と思っているのであれば、こちらのサービスがお役に立てるかもしれません。(特に3つめの方)
日本のリハビリテーションではカウンセリングを行わない
そもそも、リハビリテーションというものがどのように始まったかご存知でしょうか?
ざっくり言うと、戦時中のアメリカで、負傷した兵士をできるだけ早く復帰させるために始まった取り組みがリハビリテーションの始まりとされています。
そして、兵士の負傷には心的外傷(いわゆるトラウマ)がつきものでした。
それはそうです。
目の前で同僚が撃たれたり、自身も負傷を負い、命からがらなんとか生きて戻った人たちです。
トラウマが生じない方が不思議です。
トラウマに対する療法、つまり心理療法の一つとして、カウンセリングというものがあります。
カウンセリングとは、依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことである。(Wikipedia)
こうした背景から、アメリカではリハビリテーションとカウンセリングはセットのようになっています。
そもそもアメリカでは『リハビリテーションカウンセラー(Rehabilitation Councelor』という国家資格が存在し、社会復帰のための環境調整などを専門的に行います。
実際にはこのリハビリテーションカウンセラーは心理療法的なカウンセリングとは異なっているようですが、カウンセリングという文化がアメリカに根ざしているのは間違いないようです。
例えば、飼い犬が亡くなったときにもカウンセリングに行ったりするそうです(日本ではあまりないですよね)
日本における『リハビリテーション』は、約50年前に『理学療法』がアメリカから輸入される形で始まりました。
このとき、『理学療法』としてのみ輸入されてしまい、『リハビリテーション』という概念もまだフワッとしていたため、どうやら運動療法と物理療法のみがクローズアップされたようです。
このとき、カウンセリングというものはリハビリテーションとは全く独立したものであり、時代背景を考慮されることなく、運動療法と物理療法の部分のみが日本で行われるようになったようです。
こうして、日本におけるリハビリテーションにカウンセリングの概念は導入されることなく、現在に至るわけです。
日本にはカウンセリングの文化がない?
先述しましたが、アメリカではカウンセリングというのはちょっと心が苦しくなったら利用するものです。
飼い犬が亡くなった、近しい知人がなくなった、交通事故を目撃した、といった場合に気軽に利用するもののようです。
日本人には馴染みのない習慣ですよね。
その証拠(?)に、日本でカウンセリングを行う心理職が国家資格になったのは、公認心理師法が制定された5年ほど前の話です。
それまでは臨床心理士などの民間資格は存在しましたが、様々な理由で国家資格になっていなかったという歴史があります。
カウンセリングに近いものでは、仏教で住職さん(お坊さん)に悩みを相談するような文化はあるのですが、大々的に、明確に、「悩みを相談しにお寺行ってきます!」という感じではないですよね。
一方、キリスト教では告解室で神父さんに話を聞いてもらうというのは古くからある風習で、こちらは「教会に懺悔しに行ってきます!」という感じは有り得ますよね(実際には宣言して行かないでしょうが)。
こういう背景もあり、日本でカウンセリングという文化はあまり根付いていないような気がしています。
リハビリテーションとカウンセリング
以上のような背景もあってか、「日本のリハビリテーションにはカウンセリングが足りない!」なんて私が言っても、一般の方は、
「???」
となるでしょう。
というか、理学療法や作業療法士に言っても、多くの場合は
「?????」
となるでしょう。
それくらい一般的ではないことを言っている自覚はあります。
けれど、それでも言いたい。
リハビリテーションにはカウンセリングが必要である
カウンセリングを取り入れることでリハビリテーションの効果は高まる
考えてみてください。
交通事故に遭い、ケガをしました。
トラウマ負いません?
脳卒中で倒れ、体が突然動かなくなりました。
心、辛くありません?
病気で体の動きが悪くなり、このままじゃ家に帰れません。
リハビリの目標?冷静に考えられます?
さすがに明らかなトラウマや精神症状(うつなど)があれば精神科の受診も考慮されるはずですが、軽度であれば急性期病院→リハビリ病院(回復期)に転院です。
心理的なケアは誰が行うのでしょう?
ごく一部のリハビリ病院には、心理職が在籍しています。
こういう取り組みが広がれば本当に良いと思っているのですが、それもごく一部です。
ほとんどの病院では、そんなところまで配慮されません。
せいぜい、担当の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが話を聞く程度です。
「こんなこと言ったら迷惑だろうな」
「この悩みはリハビリには関係ないから言えない」
「不安や心配はあるけど、そんなことより今はリハビリを頑張らないと」
このように思っている方は少なくないはず。
実際、「こんなに丁寧に話を聞いてもらったことがない」と言われたことは1度や2度ではありません。
リハビリテーションにカウンセリングを
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
もしもこんな長い文章を最後までお読みいただいたあなたが、
✅️不安や悩みをカウンセリングで解消できれば、リハビリにももっと前向きに取り組めそう
✅️リハビリに取り組む目的や目標がハッキリしなかったけど、カウンセリングで見つかるのかな…
✅️リハビリの担当者には話せないけど、顔の見えない知らない人が相手ならカウンセリング受けてみたいな…
のように思っていただけたのであれば、ご連絡ください。
人生でカウンセリングなんて受けたことがないのが当たり前の日本人です。
初めてのことをする、一歩踏み出すのには勇気が要るものです。
でも、その先により良い未来が待っているとしたら、それでも踏み出しませんか?
お待ちしています。
※もしもリハビリ職の方が読んでいただき、カウンセリングを日々の臨床に取り入れてみたいと思われたのであれば、こちらでご相談ください。現状、しっかり指導するというようなサービスは行っていませんが、取り入れられることから取り入れるためのアドバイスはさせていただきます。