『失敗を楽しむ力』はどこからくる?

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学び

授業の数十分のうち必ず遭遇するのが生徒の『ノーリアクション』
いわゆる『無反応』です。
Yes-No の質問にもどちらにも手をあげない。
問いかけられてもだんまり。
頑なに発言を拒む生徒もいます(笑)。
各クラスでアンケートをとってみると
『間違うのがイヤ』
『正解だという確信がないと言いたくない』
『表現することに慣れていない』
『自分の意見を言ったときに人に注目されるのが苦手』
『自分の意見に対して他の人に何か言われるのが不安』
『マイノリティになりたくない』
などなど…。
なるほど、想いはそれぞれあるようです。
文部科学省を筆頭に『グローバル人材』や『生きる力』の育成推進事業が教育現場に投入されてからおよそ四半世紀。
ただただ教師が教材の内容を説明して生徒は聞きながら黒板を書き写す、というスタイルから一転、欧米の授業を模倣してペアワーク・グループワーク、ワークショップ、プレゼンテーションなどの活動が盛んに取り入れられるようになりました。
15年前私自身も文部科学省のSELHiというプロジェクトに従事し、その教育変革の渦中にいました。それまでの私の教授法がほぼすべて否定され、戸惑い行き詰まりながら新たなスタイルを産み出すため研究に没頭する日々でした。
『なんとか生徒たちに失敗を楽しむ力を養って、自発的学習者に育ってほしい。』
試行錯誤を繰り返していたある時、ハタと気づくことがありました。
私は生徒を1つの正しい答えに導こうとしているだけなのではないか。
生徒ひとりひとりにいろいろな意見を表現させ、欧米スタイルは醸し出せているものの、結局は『カンペキ』を引き抜こうとしている。生徒の様々な考え方を多方向から見知し、その一つ一つを丁寧に共有し、高め合える場を提供できていないのではないか。
『失敗を楽しむ力』の根底には、互いの考え方や意見を共有し、受け入れ尊重しあう環境が不可欠であると気づいたのです。
生徒の学びの質を良くするも悪くするも、ファシリテイター次第だと気づいた瞬間でした。
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