コラム56 出会いと別れ

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 平井堅さんの歌の歌詞に「出会いと別れを繰り返し・・・」という部分がありとても好きな曲の一つですが、3月とはまさにそんな季節です。社会人となり長いこと同じ職場にいると、3月に異動していく先輩や後輩、他職種の方々との別れもそれほど感傷的にはならないごく自然なものと感じるようになっていました。でも、逆の立場で自分が出て行くことになるとやっぱり色々物思いにふけるんだなぁと最近しみじみしています。 
 以前も書きましたが、自分自身は転職を新たな人生のチャレンジと考え、多少なりともリスクをとってリターンを得ると言った心持ちでいます。リスクとは今まで培ってきた人間関係や職場での立ち位置、収入などがリセットされることで、リターンとは新たな場所での新しい人間関係やリスキリング、収入の増加であると考えています。人生一度きり、チャレンジは面白そうという考えが私はあり、死ぬときに後悔しないようにするというのが今回の転職を決める大きな第一歩となりました。 
 日本人は背水の陣で頑張るのが好きな人が多い印象です。サラリーマンで得た貯金を全て使って、憧れの飲食店を開くとか、今の仕事場に三行半を突きつけて、転職先で頑張るとかです。でも、それはリスクが高過ぎます。私の場合には今の職場にも、「ダメだったら戻ってくるかも(笑)」とか、他の仲がいい先輩にも「転職先で人間関係がうまくいかなかったら引き取ってください」とか、言ってあります。また、半年から一年くらいは仕事をしなくても生きていけるくらいの貯金も残してあります。それくらいの保険をかけた転職です。リスクを大きく取りすぎることはいけません。それは人生を賭け事とするようなものです。失敗してもまあ次があるくらいの気楽な転職がちょうどいいリスクの取り方なのではないかなと思っています。
 さて、今日のテーマの出会いと別れとはなんなのかと言いますと、それは人間関係の構築です。転職などの大きな人生の転機に際しても、それまでの人間関係は重要な項目だと思います。転職は新たに知り合いができる上に、どうしても合わない上司や同僚、部下から距離を置く手段でもあります。しかし、それまでに頑張って構築した良い人間関係は転職後も心の支えになりますし、人生のリスクヘッジ(保険のようなもの)にもなり得ます。私自身は比較的心が弱い人間なので、転職先で失敗したら戻ってきてねと冗談でも言ってくれる友人がいることが本当に心強いです。もし、今後転職を考えていらっしゃる方がいたら、「背水の陣」で望むなどではなく、ダメだったとき、辛くなってしまったときにとりあえず逃げ場となるような場所や人間関係を作っておくことをお勧めいたします。

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