コラム55 確定申告

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 キックバック等が世間を賑わしておりますが、確かに国会議員の方々も、確定申告をしてきっちり所得税を納めて欲しいです。大学病院や総合病院で医局人事のもと仕事をしていると、しばしばバイトの話が舞い込んできます。若い頃から今に至るまで、せっせとバイトをこなすと結果的に所得の申告のため確定申告が毎年必要になります。私も例外ではなく確定申告を行なってきた一人です。 
 正直言って確定申告を行うことはめちゃくちゃ面倒な上に、源泉徴収よりも通常は多めに税金を納めなければいけないため、気が重い作業です。しかし、私はなんとなく確定申告を毎年することが大人の成績表を作成するみたいで嫌いではありませんでした。毎年行ってくると多くの節税方法が身についてきます(脱税ではなく節税です)。今回は節税を柱に話を進めていきます。
 まず、節税の第一歩は所得控除です。確定申告の所得から差し引かれる金額が所得控除ですが、欄を基本的には全部チェックします。社会保険料控除は既にメインでもらっている会社の給与から引かれているので、それが入力されているはずです。小規模企業共済等掛け金控除をIDECOの金額を私は入力していますし、会社独自のものもあります。生命保険控除は年間4万円x3で生命保険、介護保険、個人年金保険それぞれ4万円ずつ合計12万円まで控除できますが、年間4万円の控除目的に高額の生命保険に入ると控除額は小さい為注意です。地震保険は5万円まで、寡婦ひとり親控除、勤労学生、障害者控除、配偶者控除などあればもれなく入力します。扶養控除は16歳以上の子供や同居の親にも当てはめられるため注意します。基礎控除は自動的に所得に応じて入力されます。医療費も病院への交通費も含められるためちりつもです。最後に 寄附金控除はふるさと納税などで控除できるので、自分の所得に応じてやるといいと思います。 
 住宅を取得してローン返済があれば住宅ローン控除も金額が大きいので、忘れずにチェックしましょう。こう言った控除を一つでも忘れると、数万円から数十万円税金額が変わってくるので、税務署に出す直前まで、漏れがないかチェックするといいと思います。
 ここまでは控除の話でしたが、一番大きく節税できるのは事業所得を得るということです。給与所得は税金を引かれてから、自分の生活費を捻出しなければいけませんが、事業所得は逆です。事業所得を得るために使用した車の割合が週1日でもあれば、自家用車でもガソリン代や車そのものの費用、税金などが適正な按分だけ経費にできます。自宅兼事務所とすれば、事務所として自宅を使用した割合に応じて、光熱費、通信費、住宅ローンの金利部分も経費にできます。事業所得を得るために他人を接待した場合には交際費として飲食代を経費にできます。最後に事業所得を申告する際に青色確定申告の届出を出して、複式簿記に従った帳簿を提出すると最大で65万円まで事業所得から控除できます。これはめちゃくちゃ大きいです。みなさん副業を行い事業の届出、青色確定申告の届出を行うことをお勧めします。そうすれば生活費の一部を合法的に経費とし節税への道が開けるでしょう。先ずは副業で月3万円稼げれば視界が開けます。年間36万円稼ぐための経費が本当に36万円かかれば事業所得0円の事業を行なっていることとなります。しっかりとした経費であればそれはもちろん合法です。経費が10万円しかかからなくても青色確定申告をすれば65万円まで事業所得を控除できるので、事業所得にかかる税金はまだまだ0円です。もっと稼いでも大丈夫です。
 熱く確定申告について書いてしまいました。先にも書きましたが、毎年確定申告をしているとなんとなく、お金の仕組みや税金の仕組みが見えてきて勉強になります。会社に任せっきりだと、控除を申告し損ねたりしても気がつけないかもしれません。一度確定申告をトライしてみるのも一興かもしれません。

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