コラム48 年末年始の当直

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 皆様今年一年大変お世話になりました。このサイトを開いて約1年経ちましたが、ここまでなんとか続けることができたのも、仕事を依頼してくださった方々やコラムを読んでくださった方々のおかげです。この場を借りて御礼申し上げます。 
さて、本日は当直中にコラムを書いています。クリスマスや年末年始の当直は体力だけでなく心が削られていきます。医者になった当時から勤務医であった私は、しばしば年末年始の当直をやってきました。12月29日から1月3日までの6日間は大体の総合病院は休日体制となります。そのため、当直医が24時間体制でリレー方式の入院患者、急患患者対応を行なっていきます。私が勤務していた循環器内科医は大抵24時間連続勤務を強いられてきたので、6日間で6人の循環器内科医が当直を引き継ぐことになります。それに加えて、オンコールも1日程度あるため、例えば当直が12月30日でオンコールが1月3日だとすると、あまり休みが取れないわけです。こんなような勤務形態で10年以上年末年始を過ごしてきました。年末年始を海外のリゾートで過ごす方々をテレビなどで見ると、正直とても羨ましいなあと思ってきました。今パッと思い出せる年末年始当直の思い出といえば循環器内科駆け出しの頃、研修医の先生方と大晦日の23時59分59秒に病院の渡り廊下かなんかでジャンプして元旦の0時0分1秒に地球に戻ってきたことくらいです。家で待っている家族には寂しい思いを多くさせてきたかもしれません。
良く考えれば年末年始仕事をしているのは医者だけではなく、交通機関や飲食店の従業員など数多くの方々が働いていて社会がまわっているわけで、そんなに病院当直を悲観する必要はないのかもしれません。医者が年末年始に関わらず病院で当直をすることは社会にとって不可欠であり今後もおそらくこの事実は変わりようがありません。従いまして何か心が荒まないような対策を練ればいいのだと思いつきました。
対策1:年末年始特別手当を破格にする: 医者の当直料の相場っていくらだかご存知でしょうか?ぶっちゃけると、普段の平日夜は1から2万円給料にプラス、アルバイトを雇うには4−6万円くらいかと思います。24時間だと大体その倍くらいは貰えそうです(地方や勤務の忙しさによって値段は様々でありこの数字はおおよそです)。結構高いなあと思われる人が大半でしょうか?命を預かるような仕事だから妥当だと思われるような金額でしょうか?これに加えて、年末年始特別手当を24時間で+諭吉5人くらい追加してくれると当直したい医者が増えるかと思いきや、私の想像では多分あまり増えません。日常勤務で心も身体も削られてしまっている医師が多いからです。なかなかお金だけでは解決するのは難しそうです。
対策2:年末年始は救急車を有料にする: 年末年始は酔っ払いの患者さんや外傷の患者さんなどが増えます。また、寒いからか脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、狭心症などの血管病も増えます。今の日本は救急要請から病院搬送まで全て無料です。これを有料化すると救急車の総数は減り医者の当直は楽になります。日本全国で問題になっているのは不必要な救急要請で、重症でなくてもタクシーがわりに救急車を利用する人はたくさんいます。しかし、重症なご病気で必要な救急要請も躊躇われてしまい、救える命が救えなくなってしまう可能性もあります。従って、現在の日本では救急車の有料化は行われていません。政治的な問題も絡んできて長くなりそうなので、多くは語れませんが、試験的に年末年始だけでも救急車有料化を行なってみるのもありかもしれませんね。
対策3: 食事を豪華にする: 夕食は鮨やうなぎ、元旦の朝食はおせち料理など食事を豪華に愛すると気分が盛り上がるかもしれません。引き継ぎの当直医同士や病棟のナースなどとおせちを摘んで新年の挨拶を交わしたりすれば、年末年始の当直業務も楽しめる要素が増えるかも。
いつもながら取り留めもない文章になってしまいました。上記のような年末年始当直対策がなされなくとも、我々医師は24時間体制で病気の人々の治療を頑張っていきますので、年末年始各種お忙しい業種の方々、ともに頑張って日本を盛り上げていきましょう。

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