コラム44 ゲームの功罪

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 私は最近某メーカーの某ゲームにハマっています。中学生くらいにはゲームをほぼやらなくなっていて、30代後半くらいに再開。その後徐々にハマっていき現在では毎日のように1−2時間程度ゲームをやっています。なぜ、30代後半くらいから再開したかというと、こうなるのが怖くて20代から30代前半はゲーム機やテレビを一切自室に置かなかったのです。しかし、子供が欲しいと言ったので買ったのが10年くらい前。それからはどハマりしてしまって毎日のようにやっています。 
 ゲームは一般的に大半の人にとっては娯楽の時間です。従って子供の頃は勉強等、その他やらなければならいことが多く、親によって時間管理されることが多いです。また、大人になっても日々の仕事や家事に追われながら合間を見つけてやります。しかし、やりすぎてしまうと目が悪くなったり、寝不足になったり、他のことが手につかなくなったりする可能性があり、「基本的にはやらないで他のもっとゲームをやる事よりも有意義な時間とすることが望ましい」と考えられているような節も多いです。それでもなお我々はゲームをやってしまいます。何故、これほどまでにゲームが人を魅了し続け止まないのか、ゲームの功罪について考えてみました。
 まず、ゲームの悪い点ですが、一番は時間を大量に使用することだと思います。とにかくゲームをやっていると時間がすぐに過ぎていきます。そして明日がつらい寝不足になるとわかっていてもなかなかやめられず、中毒性がありやっとやめた時には後悔と、次の日の辛い寝不足が待っています。大人になっても時間をしっかり決めてやればいいのですが、なかなかうまくいきません。次の悪い点は生産性がほぼ無いことです。ごく一部のYoutuberさんなどは収益を得ることができたり、プロになれば大会で賞金を獲得することができたりしますが、ごくごく一部の限られたスーパーマンです。その他の一般人にとってはゲームでどんなに高得点を取っても自己満足(または他者からの賞賛の嵐)を得ることができるだけで、それ以上のものは得られません。ゲームに対してネガティブなイメージを持っている人々が指摘する点は大体上記のようなものになります。
 では本当にゲームは時間の無駄であり得るものは何も無いのでしょうか?私はそうでは無いと考えています。なぜ人々はこれほどまでにゲームに時間を割くのでしょうか。それはゲームが大変廉価で満足が達成できるからだと思います。ゲーム機は5万円もしないですし、一つのソフトは数千円で買えます。仮にゲームセンターやパチンコ屋さんなどに行けばすぐに1時間程度で数千円かかってしまいますし、他の色々な娯楽の中でも家庭で行うゲームは費用対効果(費用対満足度?)がとても優れているのだと思います。これ程までに安い費用で何十時間も時には何百何千時間も脳内の快楽を実現し続けることができるのはゲーム以外にはなかなか見つからないのでは無いでしょうか。
 でも、私自身は安くて暇つぶしにはもってこいだからゲームをしているのではありません。上に書いた悪い点の中に生産性がほぼないと一般的に思われているからと書きました。でも、私はゲームに様々な生産性を感じています。その中でも一番感じているゲームの醍醐味は己を知ることです。最近はネット上での対戦ゲームが人気です。私もその類をよくやるのですが、どんなに自分が練習したり考えたりしても、全く歯が立たない人々がいます。10代や20代前半には反射神経は敵いません。おそらく、40代の私と20前後の若者では0.5から1秒くらい違う気がします。とてつもなく大きな差です。その差を戦術で埋めたくても私を凌駕してあまりある深い考察で多くの人が私を上回ります。そのようなゲームの世界にいると、私は自分の医療現場で妙に謙虚になれるのです。自分が十数年のキャリアを持って医療技術に自信が持てていたとしても、それは手先が器用だからとかでは全く無いということです。一般的な器用さや反射神経を持った私くらいの医者が一生懸命技術を磨けば到達できる程度の範囲内ということです。心臓は一秒に約一回拍動しています。従って私より一秒反射神経が良い人が鍛錬すれば、私よりうまく手術やカテーテル治療をこなせてしまう確率は非常に高いと推測されます。もちろん医学的な知識の上に医療行為は成り立つものですので、手先の器用さだけでは無いことは分かっていますが、私はゲームをやっていると心の底からもっともっと自分より手術やカテーテル治療の才能がある人がたくさんいると実感でき、謙虚な気持ちでもっと精進して努力していかなければならないと感じるのです。
 ゲームを作るクリエーターには素晴らしい才能を持った人々が多くいると聞きます。その人々に魅了され、ゲームに多くの時間を割くことを選択している人々がまた多くいるというのが事実です。うまく付き合えば創造性など子供の教育にも役立つ可能性もあります。その一方で、人々を魅了し過ぎた結果?ゲーム依存症の問題もある種の社会問題となっています。うまいまとめの言葉があまり見つかりませんが、私自身はゲームとうまく付き合えればゲームには多くのメリットがあるものと考えています。これからも頭と手先のトレーニングの一環としてゲームを取り入れていければ思います。

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