高齢夫婦って、こんなものなのかな

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父が入院して7か月が経とうとしています。母は認知症を患っており一人暮らしをさせるには余りにも心配だったので、施設で預かっていただいてから半年程になります。
父が入院した当初、母はお見舞いに行くと言って駄々をこね、ときには、内緒で勝手にタクシーに乗って出かけようとしました。私が「コロナ感染が心配なので、病院では面会させてもらえない」ことを説明すると一時は納得するのですが、10分もすると忘れてしまい同じ話が繰り返される。そんなことが1日に10回もあるので、こちらも根負けしそうになりました。それが、2か月程経過すると「一度も見舞いに行っていないけど、行っても会えないからダメだね」と少し発言内容が変わってきて、最近は「父さんの具合はどうなんだい。良くなっているのかい」と興味無さそうに尋ねてくるようになりました。10分もすると同じ話をする点は変わりません。父への執着心が薄れた様子です。
一方の父は、入院時に「母さんに来られると疲れるから、面会は止めてくれ」と拒んでいました。しかし、これだけ長い期間、会っていないのですから、いくらなんでも会いたいのではないかと思い、時折、父に尋ねるのですが首を縦に振ることは一度もありません。なのに「孫に会いたいか」と尋ねると顔がほころびます。
各ご家庭で事情は違うとは思いますが、私の父は、認知症の母との暮らしに疲れていたのだろうと感じています。その苦労から解放されて爽快感を持っているようにも見受けられます。寂しいようですが、これが現実です。支え合うなんて綺麗ごとにしか思えません。
そもそも夫婦は血のつながりがありませんから、心の結びつきで暮らしを成立させていられるのは、体が健康で、理性が保たれた状態における理想の姿なのかもしれません。
私自身、この先、支えられるのか、支えてもらえるのか、まったく自信を持てません。

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