朗読:日和みか子さん
https://coconala.com/users/2596002イラスト:87さん
https://coconala.com/users/1307963アオイネコ
僕らは、運命の出会いではなかったけど、
二人で、歩幅を合わせて、不器用に歩いてきた。
夢か現実か分からないようなある日
アオイネコが現れて
もう少しで寿命が終わると言った。
不思議とそれは僕の心に大きく染み付いた。
その日から手をつないで歩くことにした。
家族は増えなかったけど、二人の生活は僕には心地よかった。
子供が好きだった妻には、お母さんをさせてあげたかったが、
神様は子供が苦手な僕には親にはなれないと思ったのだろう。
その分二人の日常はゆっくり穏やかに時間が過ぎた。
ある日思いつきで、猫でも飼おうと言った。
妻が連れてきたのはあおいろの猫だった。
これで一人になっても少しは寂しくないだろう。
よろしく頼むよと頭を撫ぜて挨拶をした。
少し楽しそうな妻と、一匹。
毎日平凡に暮らした。
この先もこのままでいてくれればいい
歳を重ねると老いを意識する日がやってくる。
消えることがちょっとづつ、分かってくる。
いつのまにか眠って、気がつくと妻と一匹は近くで座っている。
日々はゆっくりと、あっという間に流れていく。
夢と現実の境が曖昧になったある日
アオイネコが言った。
そろそろいいかい?
そうだね。
今日はずいぶん空が近い気がする。
風が穏やかで暖かな日に手をつないでありがとうを言った。
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