極悪ブリーダーへの軽すぎる求刑

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こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

獣医師の費用を浮かすために、麻酔なしでフレンチブルドッグ等5頭の犬を帝王切開した極悪ブリーダーがいます。
当然のことですが、獣医師でなければ動物の帝王切開手術はできません。

その元ブリーダーは百瀬耕二という男で、帝王切開するための台に犬の四肢をヒモで縛り付けて動けないようにし、麻酔をせずに帝王切開をするという、極悪非道の行ないをしていました。

麻酔なしですから、激痛のために犬は泣き叫び、中には失神する犬もいたようです。

百瀬は、無麻酔での帝王切開のほか、450匹余りの犬を劣悪な環境で飼育し、衰弱させる虐待行為も行なっています。

現在、百瀬は動物愛護法違反(殺傷・虐待)の罪などに問われており、長野地方裁判所で刑事裁判が行われています。

2024年1月15日に行われた裁判で、検察は「麻酔をせずに帝王切開をするなど残虐で悪質」などとして懲役1年と罰金10万円を求刑しました。
これほどの極悪非道の所業をしていたにも関わらず、検察の求刑はわずか懲役1年でした。

動物愛護法では、「愛護動物をみだりに殺したり傷付けた場合は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処する」と規定されています。
百瀬の悪質性を考慮するならば、最高刑に当たる5年の懲役を求刑すべきケースであったと思われます。

判決は2024年5月10日に言い渡される予定ですが、求刑がわずか1年であったことを考慮すると、執行猶予付きの判決になる可能性も否定できません。

百瀬を刑事告発したのは、動物愛護団体Eva(エヴァ)の代表者である女優の杉本彩さんです。
杉本さんは女優として活躍し続ける一方で、筋金入りの動物保護活動家でもあります。

杉本さんは、検察の求刑について、「求刑が懲役1年と罰金10万円だけで正直がっかりしています。動物の犠牲の上に成り立っている商売の残虐さがまだ司法に届いていないし、社会にもっと広く知ってもらわないといけないと感じました」と語っています。

残念ながら、日本の法律では動物は「物」と規定されています。

動物を殺したり傷つけたりした場合、単に「器物損壊」では済まないと思うのですが、法曹人の間では動物の命が軽んじられる傾向があるようです。

しかし、動物愛があって、ペットビジネスの闇について知っている検察官であれば、懲役1年などという余りにも軽い求刑はしなかったはずです。

裁判官には、検察の求刑を上回る厳しい判決(実刑判決)を出していただきたいものです。判決結果については、追ってブログで取り上げます。


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