勉強で結果を出す。 大切なことは、 無駄に比べないってこと。

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たくさん勉強したけど、結果が出ない。

※本記事は「富山市内小中学校のみ配布の<ドリスポVOL4号に掲載中です>
 勉強の結果がなかなか出ないと、相談されることが多いです。毎年夏休みが明けた頃にはインスタのDMがパンクする程です。「夏期講習に行って、どこにも行かずに勉強三昧で、本当にたくさん勉強してきました。なのに、夏休み明けの模試ではひどい結果でした。どうすればいいんでしょうか?」というようなご相談がかなり多いです。

 勉強してきたけど結果が出ないの、「結果」とは何でしょうか?ここで相談されている結果とはその時の「序列・順位」のことです。この序列・順位に変化を産む「ある出来事」が毎年夏休み前に必ず起こります。それは、「追っかけてきた受検生たち」の参戦です。模試・塾などの母集団に大きな変化が起こります。特に六年生の夏休みから受検に加わってきた子どもたちは、遅れを取り戻そうと必死です。時間がないため、「効率的な学習法」と「強いメンタル」を持っている子どもが多いようです。

 こうしたなかで夏休み明けの模試やクラス分けテストなんかが行われると、全体のレベル感が底上げされ、思っていた結果にたどり着けないということがあります。

勉強の結果が出ないと、焦る。

 毎日勉強している、土日も祝日も。でも結果が出ないと焦るものです。つまり順位や偏差値が上がっていないと「どうして?」となるわけです。何事も努力と結果がワンセットだと考えられています。なのに、努力しても報われないこともある。この理不尽さの正体とはなんでしょう?その前にひとつ整理しておきましょう。努力に関して確実に言えることは「努力しないと、報われることはない」です。これは普遍の事実ですよね。 

 そこで本題。「努力しても、報われないことがある」という理不尽さの正体とは。それは、この理不尽さを自らが産み出しているということです。「どこの状態を結果として評価するか」で理不尽さが産まれることがあるのです。わかりにくいかもしれないので、模試を使って解説します。

 模試の成績というものは、結果のように見えて「プロセス」です。だから、これを結果と判定・評価するのは、おすすめしません。あくまでも、自身が学びを確認するためのものが、模試やテストなのです。まだ道の途中みたいなものを結果として評価してしまうと、そこに「報われなさ」が誕生するのです。

 料理を思い出してください。材料切って、茹でたり焼いたり、調味して、味見して、火を入れなおして、最後に味を調えて、皿に盛る。テーブルに出てきて初めて、完成形です。まだ調味段階で、どうこう誰かに言われても「いやいやまだ作ってる途中!」ってなりますよね。皿に盛られてテーブルに置かれる状態とは、受検では「合格発表」かもしれません。本当のことをいうと、中学受検なんてまだまだプロセスです。道の途中。とはいえ、ここを一旦ゴールとして結果を評価すればいいと思います。

わが家で取り組んできた方法とは?

 今更ながらにプロセス重視論をドヤ顔で語りましたが、そうはいっても「成績が振るわないと落ち込む」という親御さんやお子さまが大多数でしょう。わが家の受検対策では、どう取り組んできたかをお話ししましょう。

 わが家では「模擬試験の成績には一喜一憂しない」というルールを作りました。確かに成績を見ると順位や偏差値も気になります。ですが、最初に見るところはどこを間違えたのか、です。模擬試験とは本番に近いリアルな環境で、どの程度解けるのかを測るリトマス試験紙のようなものです。

 わが家では六年生の夏休み前に無料の公立中高一貫校模試を受けました。初めての実践形式でした。過去問も解いたことがなく、模試の体裁自体も初めてでした。結果は散々でした。特に、算数が二十点ぐらい。模試を主催している塾からは、入塾は厳しいですねと電話がありました。もともと塾に入るつもりもなかったので、気にはしてませんでした。あと六十点ぐらい取れるようになればいいな、半年もあるから、といった感じでした。

 模試主催の塾長からかかってきた電話に「入塾予定はないですが、どうすれば算数が伸びますか?」と失礼な質問をしました。塾長は快くかつ端的に「模試の復習です」と言われました。その言葉は、思っていたとおりの答えでした。模試は復習するために受けるといっても過言ではないと思います。そう考えると模試をプロセスとして受け入れることに迷いもなくなりました。時を同じくして息子は模試を受けたその日に解きなおしをするようになりました。それは四年経った今も変わっていません。

結果を出すための方法とは?

 先ほども書いたように、中学受検のゴールは一旦「合格発表」とすればいいと思いますが、本当はゴールなんてどこにもありません。中学受検に失敗しても高校受験もあり、その先には大学受験もあります。もっと先には就職活動なんてのもありますし。プロセス重視していく、それって、今の自分を無駄に評価しないってことです。ポイントは「無駄に」なんです。無駄に他人と自分を比べて自己肯定感をダダ下げするくらいなら、目標に向かってどこを補正したらいいか考えて生きる方が健全です。そしてなにより、このマインドだと、目標に向かって努力を継続できます。

 そうすれば自然と結果も出てくると思います。これはどんなことにも当てはまるでしょう。僕も、口ばっかりにならないように、やめていたダイエットをまた始めようと思います。今年もがんばっていきましょう!
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