深く考えるとは?抑えるべき思考のポイント

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ビジネス・マーケティング
僕が事業会社から転職してコンサルタント見習いの1年目・2年目のとき、上司に相談に行くと、ものの数分で「よくわからない」「考えが浅い」「もっと深く考えてこい」って、一蹴され続けてきました。


決してサボっているわけではなく、一生懸命考え尽くして捻り出しているんだけど、深い洞察ができない、だからなかなか上司から信頼を獲得できないというサイクルに陥り、日夜ずっと悩んで睡眠が浅くなったり、体調が悪くなったり悪循環になっていた経験があります。


コンサルタントに限らず同じような経験をされている方、特に年次の浅い若手社員の皆さんは思い当たることがあるのではないでしょうか。

伝え方に問題があるのか?いいえ、本質的な「考え方」に問題があるということが年次が上がるにつれてだんだんと気づいてきました。


周りの先輩や上司が丁寧に教えてくれることはなかったのですが、自分なりに考え方を咀嚼できると徐々にスムーズにコミュニケーションが取れるようになり、余計なストレスが解消できました。


ポイントは「考える」型を理解することです。

今回は、こちらについてお役に立てるよう解説していきたいと思います。



「考える」ことの必要性

そもそも、なぜ考える必要があるのか整理したいと思います。


僕たちが仕事でもプライベートでも、生活する上で無意識にでも常に何かを考えながら行動に移している、この繰り返しということは言うまでもありません。

例えば「昼ごはん何食べようかな」とか、「週末どこいこうかな」とか、常に考えを巡らせてその場その場で最適な答えを自分になりに出しているということです。

自分が主語になっている場合は、多少歪んだ考え方であっても、誰かに迷惑をかけるわけでもないのでお好きにどうぞという感覚ですよね。


ただし、ビジネスにおいては相手があっての仕事なので、意味のある考え方をしなければ価値がありません。

具体的には、顧客の課題解消をすることでビジネスが成立するため、考えることによって何かしらのアウトプットを出し続けなければならないということになります。

だからこそ価値ある考え方・意味ある考え方を正しく捉えて実践することが求められます。


「考える」ための型とは

ビジネスの世界においては相手が合理的に納得できるパターンが存在します。

直感的になんか「良さそうだな」っていう感覚で金銭のやりとりが発生するビジネスは間違いなくありません。

普段の何気なく考えている感覚と、仕事での考える感覚の違いを認識することが必要となってきます。


では、そのパターンとはなんなのか。それが「幹を捉える」「共通項の認識」「ギャップの認識」の3つです。

1つずつ解説していきます。


幹を捉える

世間一般的によく言われている、なぜなぜを5回繰り返すものと近いですが、最も重要なポイント(≒つまり本質は何なのか?)を一言でシンプルに伝えるられうように突き詰めることになります。

深く・深く・掘り下げて真因を捉えることが重要です。


共通項の認識

一つの事象から視点を広げて、それらがどういうメカニズムで動いているのか?または、共通していることはないのか?

全体観を持って俯瞰してものごとを捉えることによって、細部に入りすぎない考えを持つことができます。

コンサルティング業界では「抽象度を上げる」と言ったりしますが、深く入りすぎると見えづらい全体の大きな動向を捉えることが非常に重要になります。


ギャップの認識

上述の全体観を踏まえて、異なる動きをしているポイントを見極めにいくイメージです。

ギャップに着目してその点を掘り下げにいくことによって、考えを示すことができれば一般論でないユニークな考えを示すことができます。



これら視点で「考える」型に当てはめて考えを深めていくと、闇雲に先の見えない悩みから解放され、スムーズに進むことができるかと思います。



例えば一例ですが、「ある市場環境とそこに属するA社の見立て」の調査を依頼された場合、


「この市場は拡大する見通して、それを牽引する成長ドライバーは〇〇で(幹を捉える)、
主要プレイヤの動きは〇〇に注力することが昨今のトレンド(共通項の認識)ですが、
A社に関しては〇〇に積極的な投資をしています(ギャップの認識)。
おそらく、〇〇の変化を先読みして動いていることが想定され、リスクはありますが可能性は非常にある企業です。」

みたいなイメージです。


もちろん状況に応じて、1つの視点だけ、2つの視点だけ切り取って活用することでも問題無いです。

テーマによって柔軟性を持たせることが重要かと思います。


普段から「考える」癖づけが必要

もちろん、日々のトレーニングで基礎力を強化して行く必要があります。


最初はなかなか上手くいかないものの、考えたプロセスは確実に自分の中に蓄積され、力になり、応用が効くはずです。

めげずに感度もトライアンドエラーを繰り返すことが一番の近道で、先輩や上司もやってきたことだと思いますので、じっくりと着実に進めてみてください。


「考える」型を認識して、正しい考え方を実践できているかどうかで、その後の成長スピードは圧倒的に変わってくると思います。


僕は、「ショート・クイック・シンプル」に頭の中で考え、アウトプットのシミュレーションを繰り返すことを意識的にやってます。

急に上司から「今の状況は?」って聞かれたら「〇〇は〇〇です」、「そうか、なるほど」というやりとりがスムーズにいくかどうかです。

是非ともチャレンジしてみてください。


さいごに

「考える」ことは人間にしかできない高度な創造力だと僕は思っています。

集めた情報とロジックの積み上げ、情報の昇華・抽象化、意味合い・洞察の抽出と人によっては色々なパターンが出てくるかと思います。


正直、不確実性の高い世の中で確実な答えは無いと考えます。

ただし、今ある情報量の中での最適解をどのように合理的かつ面白い観点で導き出していけるか、がチャレンジでロジカルな中にも非常にクリエイティブな仕事だと思います。


僕の働いているコンサルティングファームには、大きな工場も高価な設備もありません。あるのは人材という無形資産だけです(強いて言うならばパソコンとスマホくらい)。

徹底的に考え尽くして顧客価値を想像していくプロセスを一つのプロジェクトで何往復・何十往復と繰り返すので、確実に考える癖が身につきます。


このスキルはどの領域の仕事でも応用が利くと思いますので、特に若手社員の成長環境として、コンサルティングファームは非常に良いインフラが整っていると思います。

コンサルタントでなくとも「考える」ことは仕事をする上で重要だと思います。トレーニングを繰り返していけば、身につきますので是非ともチャレンジしてみてください。
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