コンサルタントが身につけるべき事【論理的思考力】

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ビジネス・マーケティング
今回は、若手コンサルタントが身につけるべき事の3回目として、「論理的思考力」について解説していきたいと思います。


前回の構造化に続き、論理的思考力についてもコンサルタントとして必須スキルとなります。

答えのないものに対して、答えを見つけに行くこと、または現時点で考えうる最適解を探索することがコンサルタントに求められます。


そのため、難しい問題解決を進めていくにあたり、正しく考えること、深く考えること、はとても重要になります。


また、思考力を高めることは、コンサルタントとしてキャリアを積むにあたって、思考の軸を変化させることも必要になります。

スタッフには、与えられたモジュールやタスクの中で思考を深めていく必要があります。

マネージャーには、クライアントの立場に立って、関心ポイントを深く洞察する必要があります。

パートナーにおいては、クライアントのマネジメントの視点に立ち、視座を上げて・未だ見えていない観点で思考の軸を変えています。


ポジションや立場によって、思考力を発揮する方向性が異なるものの、基本的な考え方は共通しています。

それでは、解説していきたいと思います。

論理的思考力とは

そもそも、論理的思考力とは、物事を体系的に整理し、物事をシンプルにして合理的な道筋を立てる思考方法です。


複雑に入り組んだ問題に対して、どこから手をつけていくべきか明確にしていくことで、タスクの優先順位を付けることができます。


また、コミュニケーション能力(聴く力、伝える力)の向上にも寄与できます。

聴く力は相手の意見や考えを正確に捉える力で、伝える力は自分の意見や考えを正確に理解してもらえる力です。

論理的思考力を鍛えることで、正確に聞き、正確に伝達することにも繋がっていきます。


これら、論理的思考力は、コンサルタントに限らず、あらゆるビジネスシーンで活用することができるので業種や役職を問わず、すべての社会人が身につけるべきスキルと位置付けられます。


思考力を高めるための型を認識する

一生懸命考えているものの、「考えが浅い」、「もっと考えろ」と上司から指摘を受けることは、若手コンサルタントにはよくあると思います。


要因として想定されることが、「考える型」が身についていないことだと思います。


「考える型」を認識した上で、正確に考えることができれば、何に対して深く考えるべきか、思考の質が向上するはずです。


考える視点は2つ(深堀りと抽象化)

まず、考えのパターンを認識する必要があります。


物事を具体的に深掘りすることなのか、抽象度を上げて概念として整理していくことなのか。


深掘りする場合は、いわゆる「なぜ・なぜ」を繰り返して、事象を細分化して真因の追求をしていくアプローチです。


抽象化する場合は、一段レベルを上げて高い視座による概念として物事を体系的に整理していくアプローチです。


抽象化で気をつけなければならないことが、抽象度を上げすぎると教科書的な整理になるので、バランスが難しいところです。

相手にとって意味のある整理は何か?を軸に概念を捕捉することが求められます。


考える本質は3つの視点(幹を掴む、パターン認識、ギャップを抑える)

「幹を掴む」とは、本質を特定することです。

枝葉の考えではなく、真因は何なのか?幹を考えるというイメージです。

前項の深掘りと概念としては同義ですが、真因・本質を特定するにあたって、深掘りした物事の因果関係を整理した上で根っこの部分を見極めるということが重要になります。


「パターン認識」とは、メカニズムを解析することです。

ある事象がどのようなメカニズムで動いているのか、そのパターンはどのように類型化されるのか、を考えるというイメージです。

個別の事象はこのパターンの下敷きの上で、具体的に紹介すれば良いので、筋の良いパターン認識を3-5つほどに整理することに思考の時間を使うべきです。

このパターンを生み出す源泉を深掘りすることや、パターンからずれている物事をどのように補正していくべきか、思考の軸が明確になるのが特徴です。


最後に、「ギャップを抑える」ことですが、成功事例との差分を理解することです。

特定の事象に対して、ベンチマーク比較した時にどのように差が生じているのか、その差は大きいのか小さいのか、など基準を明確にするイメージです。

ベンチマークとなる基準の見つけ方が重要になり、基準づくりに思考の時間を寄せて考えることが求められます。


思考力を高めるための工夫

思考力を高める上で、ファクトと仮説は非常に重要になります。


一定程度、ファクトを集め、土台が出来上がった段階で、仮説を思考して、検証するサイクルを回すことで思考が深まります。


また、思考プロセスとして、深掘り→抽象化→深掘り→抽象化と、何往復も繰り返すことで余計な情報を削ぎ落としながら考える質を向上させることができます。


考えることに対して、前項で解説したように一定の型は存在するものの、画一的な答えは存在しません。

情報量や思考が深まるにつれて、常にアップデートが必要になってきますので、繰り返し継続した思考サイクルを回していくことが肝要です。


さいごに
今回は論理的思考力について解説してきました。

思考力を高めることには終わりがなく、非常に難易度が高いことですが、コンサルタントとしての腕の見せ所でバリューの出すところです。


論理的思考力が高まると、伝達する力・プレゼンテーション能力も向上しますし、分かりやすいファクトに基づく示唆・オピニオンを論理的に組み立てていくこともスムーズにできるようになります。

コンサルタントのスキルセットに対して、様々な応用が効くためぜひとも習得できるよう型を身につけていただきたいと思います。


また、一点留意しなければならないポイントとして、思考力の起点は自分でなく、相手ということは意識するべきです。


いくら考え尽くしても自分を軸に組み立てていては有効ではありません。

あくまで、クライアントの問題解決であるため、相手を中心にして初めて意味のある論理的思考となります。


思考の軸を意識しながらトレーニングを繰り返していただきたいと思います。


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