小さな会社がやるべき”価格アップ”のコツ

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ビジネス・マーケティング
◆今回のお悩み◆
最近、電気代やら仕入れ値やら・・・値上げのラッシュでキっツぅ~
コストアップ分を売値に乗せたいけど、お客さん離れちゃわないかなぁ

こんなお悩みを解決します。


✔ 本記事の内容
・お客さんが求めるのは”安さ”だけ?
適正価格を知る方法
・明日からできる価格アップ術


✔ 本記事の信頼性
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ただでさえ、コロナや戦争などの影響で材料が入りにくいのに、モノの値段があがってて商売がキツくなってきた。なんて声をよく耳にします。

コストアップ分を売値に乗せられば問題ないんだけど、お客さんが離れてしまうのが怖い、と暫くしのいできたけれど、そろそろヤバいぞ。どうしたらいい?

なんてご相談も増えています。

今回は、小さな会社が明日から使える、価格アップ術についてご紹介します。上記のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。


・お客さんが求めるのは”安さ”だけ?

・適正価格を知る方法

・明日からできる価格アップ術


☑ お客さんが求めるのは”安さ”だけ?

お客さんが求めるのは安さだけではなく、商品の品揃えや鮮度、お店やそこで働く方々の雰囲気など様々な要因があります。

「新鮮な魚買うなら、駅前のAスーパーで」

「機能性の高い服を買うなら全国展開してるあのお店」etc

このようにお客さんのアタマの中には、明確にお店や会社を記したリスト表があります。これを”顧客の知覚価値”と呼びます。経済的なものだけでなく、店の雰囲気といったものも含め顧客が感じとる価値のことです。

この顧客が感じる価値が、あなたが提供する価格より高ければリピート客になるし、そうでなければとても困った状況になります。

ウチの店は安いのが取り柄で、ほかには何もないからなぁ~ なんて言ってるお店はありませんか? 以前にもお伝えしたように、そのようなお店にこそ、従業員や家族、お客さんに、自店の魅力や強みを直接聞いてみましょう。

顧客が感じている価値は様々です。きっと意外な答えが返ってくるのに驚かれるでしょう。


☑ 適正価格を知る方法

売れ行きが鈍った会社の売上げを伸ばしたい、と京都にある伝統工芸品を扱う後継者の社長から相談がありました。

新しく開発した商品は、一点もので手作業の工程が多い商品。当然コストは跳ね上がります。

若社長「コストから考えると、この値段にしないと合わないんだよなぁ。でも、この価格。工芸品としてなら通るけど、ファッションとして身に付けるには高過ぎないかなぁ。いくら位なら、買い手は受け入れてくれるんだろう?」

ワタシ「じゃあ、調査してみましょうか。カンタンにできる●●という方法があるので、お客さんに▲▲して、■■すればこうなりますよ」

とアドバイスして取り組んだ結果、お客さんが許容する適正価格がわかりました。あれやこれやと手探りでやるよりも、科学的な根拠を元に取り組めれば安心感が違います。

このように適正価格が判明したことで、価格以外のデザインや品質、バリエーションといったマーケティング面を強化することができました。


☑ 明日からできる価格アップ術

”専門家の手を借りずに自分でできる方法も教えて欲しいんだけど・・・”
もちろん! ありますよ

先ほどお伝えしたとおり、売値の価格は原材料や仕入れなどのコストから導かれます。多くの会社で行われている価格決定の方法ですよね。

じつは、それ以外にも2つ価格を決める要因があります。

なんだかご存知でしょうか?


1つは、需要です。
需要つまり、お客さんが”これ、欲しい”と、許容する価格のことですね。

同じバッグでも、同窓会で使うブランド品なら20万円。でも、普段使うバッグなら、1千円でいい。使用する時や場所、目的などによっても許容する価格は違います。

もちろん、ルイビィトンのバッグのような専門品だけでなく、生鮮食品や雑誌などのように日常反復的に購入される最寄り品、家電などのように幾分、情報探索に時間を掛けて購入される買回り品。

このような商品の特性によっても需要は異なりますので、とうぜん価格は変わってきます。


もう1つは、競合です。
世の中にウチの店や会社だけなら良いんだけど・・・ そう上手くはいかず、世の中には競合他社が溢れています。

日常反復的に購入される生鮮食品は、消費者の厳しい目に晒されて一円でも安く買いたいお客さんは、チラシ片手に安い商品を求め自転車で走り回るなんて光景も目にします。

このように、価格を決める要因にはコスト、需要、競合の三つがあります。


では、明日から価格をアップするために何をするか?
ようやく本題ですね

カンタンなものから少し時間の掛かるものまで2つのアイデアがあります。

アイデア1.競合の価格を調べる

自社が取り扱う商品の価格と比較して、競合店をリスト化する。
上げても良さそうな商品、上げてはいけない商品、どちらとも言えない商品の三つに分類する。そして、上げても良さそうな商品の価格を上げてみる。

商いを行う範囲を”商圏”といいます。移動が行える物理的な距離や、河川で分断される地理的なもの、心理的なものまでを含めます。
専門品、買回り品、最寄品の順に商圏の範囲は狭くなります。あなたが扱う商品やサービスによって、商圏の大きさは変わります。

そのような商圏を意識しながら、競合と比較の中で価格を見直してみる。
当たり前過ぎて見過ごしがち。価格アップのネタは意外なところに隠れています。


アイデア2.三段階の価格設定にする

戦略的に価格帯のボリュームを持たせることで、平均客単価を上げることができます。実はこの方法、有名なコンサルタント会社から聞いた話で、効果は実証済みです。

あなたが経営する洋食店のメニュー、いちばん人気のハンバーグ定食は880円。定食以外にも単品のメニューがあり、この価格より低いポタージュスープ500円もあれば、ステーキ定食1,980円と高いものもあります。

平均客単価の1,000円をアップさせたい、あなた
A=√X×Y の数式に以下の数字を入れてみます・・・

最低価格500円(X)、最高価格1,980円(Y)
A=ルート500円×1,980円 ・・・994.98円(小数点第2位まで)

数式で計算した結果も、実際の客単価である1,000円近くになっています。

ここで、客単価をアップさせたいのであれば、最高価格を見直します。
仕入れ値を交渉してTボーンステーキ定食を3,980円で提供できることとなりました。

その結果、最低価格500円(X)、最高価格3,980円(Y)
A=ルート500円×3,980円 ・・・1356.46円(小数点第2位まで)

お店のメニューでイチバン高いものの価格を上げるだけで、356円も客単価を上げることができます。

なんか眉唾もんだなぁ、そんなに上手くいく?
まぁ、もちろん信じる信じない、やるやらないはあなたの自由です。

もし、客単価を上げて利益率を改善したいとお思いなら、挑戦するのはタダです。しかも明日から取り組むことも可能です。

もちろん、飲食店以外の商店でも応用可能な方法です。

松竹梅の価格帯。真ん中を選びガチな日本人の傾向。
という話を聞かれたことはありませんか?

そうなんです、この方法には心理学的な要素が用いられています。
ぜひ、取り組んでみてくださいね。


さて、今回の記事「小さな会社がやるべき”価格アップ”のコツ」はいかかでしたでしょうか。皆さんのお役に立てれば幸いです。

今回は以上です。
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