本質を教えつつも暗記は大切である~授与動詞を中心として~

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第4文型の動詞は基本的に「与える」または「与えない」の意味を含む動詞がきます。

例えば

tell(伝える)は情報を与えている
spare(時間を割く)は自分の時間を相手に与えている
deny(与えない)は「与えない」
save(省く)は「無駄などを与えない」

動詞の意味がわからなくても第4文型であることを見抜ければ、最悪「与える」「与えない」で意味を大まかに取ることはできます。

しかし、saveやspareの4文型の意味を覚えずに、「与えない」「与える」で乗り切ったからといって、大した自慢にはなりません。

英作文の時にはsave O1 O2(O1のO2を省く)と覚えているから使えるのであって、読解で第4文型と捉えて乗り切ったところでそれは偶々というものでしょう。

第4文型を取る動詞が本質的に「与える」「与えない」という意味になるというのを教えるのは大切なことです。しかしそれは「なんとか乗り切る手段」として有効なのであって、万能なものではないです。

なのできちんと第4文型を取る動詞の意味を覚えることは大切なのです。

授与動詞について教えず、「第4文型を取る動詞は暗記しなさい」

と教える方がまだ有益です。

「暗記暗記と学校の先生は言うけれど、第4文型の動詞は「与える」か「与えない」の意味なので、長文の時はそれで最悪意味が取れるんだ」

と教えるのはいかがなものかと思います。

英作文の引き出しを狭めることになりかねません。

ところが後者の説明の方が、本質をついているように見えて、生徒からするとかっこよく聞こえることもあります。

「この先生は暗記暗記言わない。本質的なことを教えてくれる」と。

しかし、そうでしょうか。

先ほど述べたように英作文の引き出しを狭めないためにも、「第4文型の動詞を覚えなさい」と指導することは大切ではないでしょうか。覚えておけば「与える」「与えない」よりもより精度の高い正確な訳もできます。

1番良いのは第4文型を取る動詞には「与える」または「与えない」の意味を持つ動詞が来る

と教えつつ

「ただし、英作文の時に使えるように、例文を何度も音読して頭に叩き込んでおくように」

と伝えることでしょう。本質を教えることは大切な時もありますが、あまり本質にこだわり、かっこいい説明に執着するあまり、大切なポイントを見失うというのが、予備校講師のパフォーマンスにはありがちです。

暗記、暗記

というのは芸がないのはわかりますが、時と場合によって、暗記はかなり大切な面もあるはずです。

「暗記しなくて大丈夫」

ではなく

「暗記しなさい」

の方が一般に学力がつきやすいです。

ここを見落としてはなりません。
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