受動態(受け身)という言葉を聞いて、真っ先に意識しないといけないことは何でしょうか。
「される」「られる」という意味が思い浮かぶ人もいるでしょう。
しかし、英文で受動態が使われていても、必ず「される」「られる」と訳すとは限りません。
例えば
The vase was broken.
の意味を考えてみてください。vaseは「花瓶」という意味です。
受動態で大切なことは主語が動作を受けるということです。
brokenはbreak(~を壊す)の過去分詞ですね。「壊す」動作をしたのは誰ですか?
おそらく人間や猫でしょう。
でも、この英文は花瓶vaseが主語になっています。主語である花瓶vaseは「壊す」という動作を受ける側です。なので受動態にする必要があるのです。
訳す時は「花瓶が割れた」でよいですね。
「壊すという」動作を受ける花瓶が主語になっているので、受動態を用います。
受動態はbe動詞+過去分詞で作りますから
The vase was broken.
になります。
必ずしも受動態が「される」「られる」という訳になるとは限らないです。
この考え方が身に着くと文法問題や英作文で役立ちます。
また、感情の動詞を学ぶ時にも有効です。
英語では、ほとんどの感情の動詞は「与える」という意味を含みます。
excite「わくわくを与える(わくわくさせる)」
surprise「驚きを与える(驚かせる)」
bore「退屈を与える(退屈させる)」
などが代表的です。
「私はわくわくしている」
を英語にするとどうなりますか?
主語は「私」です。
「私」はわくわくを与える側ですか?それとも受け取る側ですか?
何かわくわくするようなきっかけがあり、それを受け取ってわくわくしているんですよね。
だから受動態にしないといけないのです。
I am excited.が正しい英文となります。
逆に次の問題はどうでしょうか。
この映画はわくわくする
主語である「この英語」はわくわくを与える側ですね。だから、受動態にしてはいけません。
This film is exciting.
が正しい英語になります。
この理解は現在完了の受動態など、さまざまな場面で応用が効きます。
ぜひとも理解しておきましょう。