デザイナーのグッズデザインあれこれ-2

記事
デザイン・イラスト

グッズデザインで私が大事にしていること

前回はグッズデザインの際にデザインのパーツとして使う
ロゴの作成についてのあれこれを書きました。
今回はグッズデザインで大事にしていることについての話です。

以前にもブログで書かせていただきましたが、
(「グッズデザインにデザイナーとしての強みを生かす」参照)
「誰もが」「気軽に」簡単にオリジナルグッズを作って
楽しめるサービスがたくさんある中で、
デザインのプロが作ると何が違ってくるのか?
誰でも簡単にできてしまう「グッズデザイン」を
サービスとして出品するのはなぜなのか?
私がやれる事は何なのか?
その答えにもなっているかもしれません。

デザインしたイメージにできるだけ近いものに仕上がることにこだわっていきたい。そのためには?

アイテムのメーカー選びも印刷も私がしていることではないので、
どうにもならないこともありますが、
作り手としてできることはやって、
意図したデザイン通りにできるだけ近いものが出来上がることに
最低限の責任をもちたいと思っています。
そのためには出来上がってくるものを
できるだけ把握することが必要になってきます。

●アイテムの色を把握する
どの色のアイテムに印刷するかによって使用する色の決め方も変わります。
(それで、グッズデザインをお受けする際に、
アイテムの色が選べる場合はご希望の色を伺っています。)
例えば、Tシャツなどはその種類によって選べる色の種類が違いますが、
赤や黒、黄色などはだいたい同じなのに対して青や緑などは
Tシャツの種類によって微妙に色味が違ったりします。
シミュレーション画像で見ている色と実際の色が
けっこう違うという場合もありました。

●印刷された色の出方を把握する
素材の違いによっても色の出方が変わります。
Tシャツの場合も、種類によって同じデータでも色の出方(印刷された色)が違ったりします。
だいたいこんな色という程度の仕上がりでいいというのでしたら
そう気にする必要はないのかもしれませんが、
デザイナーとしては、この青、この赤が一番と決めて作りたいので、
薄めに出るもの、濃く出る場合(アイテム)を把握しながら色のデータを調整する必要が出てきます。
(タイトル画像のクッションは色がかなり濃く印刷されていました。)

ブログ用画像09グッズデザインあれこれ2-1.png
↑写真の撮り方によっても変わってしまうのでわかりにくいですが、
印刷されるアイテムによって鳥のワイン色とグレイッシュな青色の色味が
変わっています。

ブログ用画像09グッズデザインあれこれ2-2.png
↑広げてある方は作成したデータを紙にプリントアウトしたものです。
実際に印刷された色とどれくらい違うかを確認しています。
(A3でプリントアウトするために原寸より縮小したデータにしてあります。)
紙に入っている折り線は、バンダナとして使ったときの
見え方を確認するために折った時についたものです。

●データ通りに出来上がるかどうか把握する
また、アクリルキーホルダーやグラスなど立体的なアイテムの場合、
出来上がってきたものがテンプレートを使用して作成した
アップ用のデータより小さくなる(グラスはイラストの大きさが縮小されている)場合があります。
実際はどれくらいの大きさで仕上がってくるのかわからない場合は、
まずはサンプルを作ってみて、それを測ることで希望のサイズにするためにはどれくらいの大きさでデータを作るのがいいのかを探っています。
新しく作成できるアイテムが加わる際にはできるだけ
まずサンプルを作ってから本番用のデザインをするようにしています。
オリジナルグッズを作成する場合、実際の大きさがどれくらいになるのか
は大事なところだと思っています。
直径35mmの仕上がりを想定してデータを作成したら、
出来上がってきたものは直径が約30mmだった!のではがっかりです。
特にアクリルキーホルダーのような小さなアイテムの場合、
100%の大きさと85%の大きさではかなりの違いです。

ブログ用画像09グッズデザインあれこれ2-3.png
↑右の画像はシミュレーション画像ですが、この大きさに作るためには、
左の大きさのデータで作る必要があります。
かなり縮小されてしまうわけです。

●印刷の仕上がりについて把握する
私の使っているサービスでは、線の太さについては1mm以下のものはうまく印刷できない可能性があるので要注意と説明されているのですが、サーモタンブラーの黒や白のコーティングがされている素材のものは、1ミリ以上の線でも剥がれやすいということが実際に使ってみてわかりました。
その問題を避けるためにはどんなデザインにしたらいいのか?
コーティング素材に線を使う場合は、
線はなるべく細くしない、
できるだけ面でのデザインを考えるなどしています。

ブログ用画像09グッズデザインあれこれ2-4.png
↑3色あるサーモタンブラー。シルバー以外は黒と白色のコーティングがされています。線を生かしたデザインをしたのですが、シルバー以外は使っているうちにどんどん線の部分の印刷が剥がれてしまいました。
(こちらはまだ剥がれていない時の画像。右の太陽のイラストの線や
鳥の足の部分などが剥がれていきました。)

どんな問題が起きる可能性があるのかは、
やはり実際に作ってみて、実際に使ってみないと
わからないことも多いように思います。
というわけで、
基本的には仕上がり具合をできるだけ把握できているサービスを使いたいと
考えています。
グッズデザインご依頼の際に特に指定がない場合には
私が長く活用しているグッズ作成のサービスを使わせていただいています。

次回はイメージに近い仕上がりにするために
気をつけていること、悩んでいることなど、
そのためのデータの作成のあれこれを書きたいと思っています。

つづく



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す