デザイナーのグッズデザインあれこれ-3

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デザイン・イラスト

データ作成で気をつけていること・悩むこと

前回は、グッズデザインをする際に
「デザインしたイメージにできるだけ近いものに仕上がること」にこだわり、
そのためにグッズデザインを受ける際には基本的には
データの作成の仕方やアイテムの素材・色などを
できるだけ把握できているサービスを使わせていただく
という話を書きました。

今回はデータ作成のもう少し具体的な話、
データの作り方についてのポイントと
作る際に悩むことなどを書きたいと思います。
裏方の話なので、依頼される方に詳細に説明するまでもないかもしれませんが、ご希望のイメージ通りのデザインをご一緒に作ってく上で、
どんなふうに作っているのかを知っていただくことが
役に立つかもしれないと思っています。

デザインデータを作る際の5つのポイント

1 デザイン作成のデータのサイズ
デザインはそれぞれのアイテムの印刷可能範囲を原寸でデータにする。

2 イラストを入れる位置の決め方
データをどの位置に入れるかはシミュレーションしながら慎重に決める。

3 基本的にはアイテムごとにデータを作る
同じデザインでも印刷可能範囲が違うアイテムは
アイテムごとにデータを作る。

4 デザインごとに選べる色を限定する
デザインごとに選択できる色を限定する。

5 色の調整
データ作成の際は色の微調整を大事にする。

それぞれのポイントを少し詳しくお話ししていきます。

データを原寸で作成する理由は?

それぞれのアイテムの印刷可能範囲内に原寸でデザインをしています。
私が使っているオリジナルグッズ作成サービスが提供しているテンプレートは
印刷可能範囲の単位がピクセルになっているのですが、
テンプレートをそのまま使用して作成すると
原寸でプリントアウトできないため*(かなり大きい)、
計算して実際のサイズになるようなサイズのデータで作成しています。
*プリントアウトの際に紙のサイズに合わせるという設定でプリントアウトすると原寸に近い大きさに縮小されてプリントアウトできますが、原寸と全く同じにはならず、大きさに誤差が生じます。

ブログ用画像10グッズデザインあれこれ3-1.png

データをアップした際にデータの拡大や縮小は可能なのですが、
目分量での大きさの変更となります。
大きさが1cm違っても印象はかなり変わってきますので、
基本的には原寸で作ったデータをそのまま使うようにしています。
実際の大きさを把握できていることが大事だと考えています。
原寸でデータを作るのは、データをプリントアウトして
大きさの確認をしながら大きさを決められるからです。

イラストを入れる位置を決めるのはなかなか難しい

今のところ私が使っているサービスでは、
アップしたデータが印刷可能範囲の一番上から少し下の真ん中に表示されるのがデフォルトのようです。
その位置でOKなら構わないのですが、もう少し上、もう少し下、右胸のあたりにしたいなど希望の位置にしたい場合には(基本的にはイラストの位置もデザインする際に決めるので)、イラストをドラッグしながらデータを動かして希望の位置まで移動することが必要です。
数値で指定するなどして正確に印刷可能範囲のどこにするかを決めることはできません。見た感じで判断して位置を決めることになります。
データで位置を決めるのではなく、アップしたデータを印刷可能範囲内で動かして好みの位置に配置するわけです。
データをアップした後に位置の調整をするところはメリットだと考えて、
(同じデザインのデータで上の方に配置したものと下の方に配置したものと2種類、位置を変えたアイテムを作成することもできるわけです。)
シミュレーションしながら慎重に位置を決めています。

ブログ用画像10グッズデザインあれこれ3-2.png

ただし、困ることも時々起こります。
イラストを胸のあたりにワンポイントで入れたい場合、
デフォルトで入っている位置のイラストをドラッグして希望の位置まで移動するのですが、その際に小さなイラストだと拡大されてしまうことがよく起きます。
アップしたデータの縮小・拡大は可能なのですが、小さなイラストなどの場合はそれを元の大きさに戻すことがなぜだかうまくできません。縮小できたとしても目分量でやることになるので、せっかく厳密に決めたサイズに戻っているかどうかはわかりません。
なんとかならないか困っている悩みの種の一つです。

ブログ用画像10グッズデザインあれこれ3-3.png

もう一つ悩むのは、フードのあるアイテムの背中に入れるイラストの位置の決め方です。プレビュー画像ではイラストが見えていても、実際に届いたアイテムを着てみるとイラストがフードに隠れてしまうことがあります。
印刷可能範囲いっぱいに入れる場合は、一部がフードに隠れてしまっても許容範囲というか仕方がないと思えるのですが、背中にワンポイント的に入れたい場合、隠れてしまっては入れていないのと同じになってしまいます。(フードを被ると、背中にもイラストが入っていた!ということに…。それをよしとしていただければいいのですが。)
印刷可能範囲の真ん中から下に配置するようなデザインならいいのですが、真ん中より上に入れたい場合にいつもどれくらいの位置なら全部隠れずにいい具合に見えるのか悩みます。フードに隠れずに見えるようにすると今度はフードを被った場合にイラストの位置が低く感じたりもします。どの位置にするのが適切なのかとても悩みます。

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同じデザインでもアイテムごとにデータを作る理由

同じデータをいろいろなアイテムに使うことは可能ですが、
印刷可能範囲が極端に違う場合は元のデータが縮小もしくは拡大されてしまいます。特に縮小される場合には線の太さを調整して適正に印刷されるようにすることが必要な場合が出てきます。
私の利用しているサービスでは、「 オブジェクト(線や文字含む)自体が1mm以下である場合、正常に加工されずプリントのつぶれや欠けが発生する恐れがあります。」という注意書きがあります。
拡大される場合でも拡大された線の太さが太く感じる場合もあるので、どちらにしても印刷可能範囲が違う場合はアイテムごとにそれぞれの大きさに合わせて線の太さなども調整しながらデザインを作っています。
また、見出し「データを原寸で作成する理由は?」でも書いたように、イラストの実際の大きさ把握することを大事にしているので、印刷可能範囲が小さなアイテム(たとえばジェットキャップやバケットハットなど)にイラストを入れた場合に実際にどれくらいの大きさになるのかを確認していくためには、原寸で作ったデータをプリントアウトする必要があるからです。

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次回は色に関してのデータ作成のポイントと色に関して悩まされていることについて書きたいと思います。

つづく








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