研究室のストレスで適応障害になりました

記事
コラム
研究歴7年、28歳男性で生物系研究者の「めいす」です。
博士(医学)の学位を取得しています。

私は現在ポスドクをしており、
来年度から大手製薬企業の研究職として就職します。

私はポスドク1年目に適応障害を発症し、現在休養中です。

本記事では私が適応障害(Adjustment disorder)になった経験について
書いていこうと思います。

1.適応障害とは?

適応障害とは、ストレスによって、気分の落ち込みや不眠など
うつ様症状がでる疾患のことです。

うつ病との違いは、区別が難しい部分があるようですが、
一般的にストレスの原因がはっきりしており、
ストレスから離れれば症状が軽減するのが適応障害で、
うつ病は脳の病気で、原因が無いのにうつ様症状を示すそうです。

私の場合、適応障害と診断された時は、

常に気分が落ち込んでいる
何もやる気が起きない
朝起きるのが辛い
あらゆる興味がない
呼吸が苦しく感じる時がある
非常に疲れやすく、休んでも疲れが取れない

といった症状が出ておりました。
研究室に行くのが苦痛で、行ったとしても何もやる気が起きない。
そんな状態が2週間くらい続きました。

人間誰しもが5月病のようにやる気が出ない時というものはあります。
適応障害の場合、ただやる気が出ないのではなく、
何かをする気力がないという状態だと思います。

適応障害は「環境へのアレルギー反応」と例えられることがありますが、
まさにその通りだと思っています。
小麦アレルギーの人が、小麦を食べられないのは、
やる気が起きないからではなく、そもそも食べられないからですよね。

適応障害は、環境が自分に合っていないだけであり、
やる気といった精神論ではどうにもならないのです。

2.私が適応障害になった理由

私が適応障害になった理由は、
上司の性格が合わなかったことだと思います。

有名なオーストリアの心理学者で精神科医のアルフレッド・アドラーは
全てのストレスは人間関係が原因である
と言っています。

宇宙に最初から自分一人であれば、そもそもストレスなど感じないと。

例えば仕事がストレスでという時もありますが、
仕事が終わらないと怒られるであったり、
責任感があるというのも、責任を感じる対象がいるからであり、
仕事ができないと周りからの評価が落ちるであったり、
結局のところストレスは人間関係に帰結するのだと思います。

私の場合は、上司のマイクロマネジメント気質が合いませんでした。
週に1回の進捗報告、それ以外にも頻繁に現状を聞かれる、
といった状況で、
常に急かされているというか監視されている感じがしました。

元々マイペースだけど熱心に取り組むタイプであった私にとって、
急かされるとペースが崩されて非常にストレスでした。

確かに受動的で言われないとできない人にとっては、
密度の濃いマネジメントが必要かもしれないのですが、
私の場合は性に合いませんでした。

一方で、学会の泊まる部屋を一緒にしたがる、、土日深夜関わらずラインが来るなど、プライベートの距離感が非常に近かったのも、
私のストレスの原因でした。

すみません、愚痴みたいになってしまいました笑
止まらなくなりそうなのでこれくらいにしておきます笑

このような感じで上司の性格が私にとってのストレス源となり、
そして同期も先輩もおらず、いるのは留学生の後輩のみ、
という環境も相まってストレスが溜まりに溜まった結果、
適応障害になってしまったと推測しています。

3.ストレスでいっぱいになったらどうするの?

私には、かつて同じチームで適応障害になった同期がおり、
彼はすでにチームを抜けて他のチームにいました。

彼が私の状態を見て、精神科に行った方がいいよとアドバイスをくれました。
当初は、「いや、なんとか頑張れるでしょう。投げ出すのは甘えだ。」と
私は思っており、またなんとなく精神科に行くことに抵抗もあったため、
中々病院に行く勇気が出ませんでした。

しかし、研究室に医者の方がおり、その人に相談した時も、
「日本人は精神科への精神的ハードルが高い。海外だと、風邪ひいたから
耳鼻科に行こうぐらいの気持ちで、精神的に辛いから精神科に行くものだよ」
とアドバイスを頂きました。

そうか、これは心の風邪のようなものなのか。

私はふっと心が軽くなり、近くの心療内科に行くことにしました。

そして病院で適応障害と診断され、1ヶ月の休養が必要だと診断されました。
そして抗うつ薬を処方されました。


それから今は休んでいるのですが、ストレスから離れると症状が緩和すると
始めに書いた様に、非常に体も心も楽になりました。

4.適応障害と診断されたらどうすればいいの?

一般的に適応障害になると、その環境から離れることがベストなようです。
それでもどうしても環境を離れられない場合は、
環境調整といって、仕事量を減らすなどの対処をするそうです。

私の場合、とりあえず医師の診断通りに休もうと思い、
上司と研究室全体の部長に対して、
適応障害を理由に休職希望のメールを送りました。

正直、メールを送るのは非常に勇気が入りました。
「いや、まだやれるんじゃないか」
「なんかいける気がしてきたぞ」
と気分が揺らぐこともありました。

それでも、
「このまま続けたら絶対におかしくなる。
来年から就職するのに、その時に心が崩れていたらどうする?」
と思い、勇気を出して休職希望のメールを出しました。

幸いにも部長は理解ある方であり、上司の性格も理解していたため、
私と上司の間をとりもってくださいました。
その結果私は、1ヶ月の休養を取ることができました。

部長は私にチーム移動をお薦めしており、
現在はそれに向けてどのようにしたいかを考えております。

正直、今まで行っていた研究テーマは非常にレベルが高く、
かなりのハイインパクトジャーナルに掲載できるものだったので、
途中でやめることが非常に残念でなりません。

ただやはり大切なのは自分です。
自分が幸せになるにはどうすればいいかを考えた場合、
チーム移動が最適解なのかもしれません。

5.おわりに

いかがでしたでしょうか。
適応障害とはどんなものなのか少しでも理解頂けたら幸いです。

もしこれを読んでくださった中に、私と同じ様にストレスで
精神的に辛いという方がいましたら、
迷わず心療内科にいかれることをお薦めいたします。

適応障害は甘えではありません。
環境へのアレルギー反応です。
小麦アレルギーの人が小麦を食べられないのは甘えでしょうか?
誰しもがNOというように、適応障害も甘えではないと思います。

研究室のさまざまなお悩み相談は以下のリンクで承っております。
どんなご相談でも構いません。なんなら研究室関係なくても問題ございません。皆様が少しでも楽になれれば幸いです。




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