緊急時訪問看護・24時間緊急時対応って?

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当ステーションは開設して10年にはなりますが、とても小さな規模のステーションです。


なので、利用者の数もそんなに多くはありません。


ですがほとんどの方が『緊急時訪問看護加算』『24時間緊急時対応加算』
の契約をされています。


これは24時間365日ステーションが開いているというのではなく、

営業時間終了後は指定された電話番号に連絡すると看護師が対応するという
サービスです。


「何かあったときに、すぐに連絡できて、相談できるところがほしい」


との思いがひしひしと伝わります。



ですがすぐに連絡はつくけど、すぐに駆けつけられるか…といえばそうではありません。


病院のナースコールのように、看護師が応対してすぐ病室に駆けつけるということは、

この緊急連絡ではできません。


なぜなら、看護師はこの緊急電話を持って自分の家に帰っていて、

看護師も生活者の一人として日常生活を送っているからです。


お風呂に入っているときもあれば、トイレにいるときもある、


食事を作っているときもあれば、夜は普通に寝ています。



なので、いくら連絡が付いたからといってすぐにいけるというわけではないのです。



深夜といっても、起きてから玄関を出るまでに、一応の支度はしていかないといけません。


日中ほどしっかりメイクはしなくても、人相がわかるくらいにはしておかないと失礼というものですwww



このシステムをご理解いただき、ご契約をしていただいています。



そうは言っても、緊急で出動しなくてはいけないケースは
そんなにありません。



利用者や家族も、看護師が自宅に帰って日常生活を送っていることくらい知っておられます。


なので、そこには常識の範囲で、忖度されているのです。



これは緊急に伝えないといけないことなのか、


緊急に対応してもらわないといけないことなのか、


利用者、家族は考えて連絡をしてきてくれます。


そこで訪問したほうがいいのか、家族で対応してもらえるのか、病院に行くのかを判断し、対応します。



訪問看護をやってみたいけど、オンコールがあるから・・・と躊躇される看護師が多いと聞きました。


確かに、緊急携帯電話を持っているだけで、「いつかかってくるか」と思うと休めないと思うでしょう。



でも、


日中の訪問の様子や、状況を見ていると


「今日は電話はかからないな」とか、



「今日は危なそうだからかかってくるかもな」



ということは大体わかるし、それは大体あたっています。


なので、どこに行くにも緊急携帯電話を持ち歩かないといけないめんどくささはあっても、


いややぁ~と思うことはあまりありません。



お酒飲めないとか、県外への外出は避ける、映画館にはいかないなど、

制約はありますけどね。


普通の生活はある程度送っていますし、夜はしっかりねています。



とはいえ、



私も最初はドキドキしたし、この対応が良かったのか・・・といまだに思うこともあります。


でも、利用者、家族は、看護師に何かしてほしい!ということよりも

不安な時には相談に乗ってくれたり、話を聴いてくれる人がいることに
安心感を求めておられるように思います。


なのでたいていは、電話相談で、家族に対応をお願いすることのほうが多いです。



もちろん、「今息を引き取りました・・・」というご連絡もあり、
訪問することはあります。


時間帯によっては、次の日の出勤時間まであまり時間がなくて、そのまま起きて出勤することもあったりしますが、


めったにないかな。



小さな、少ない利用者さんだから…と思われるかもしれませんが、


医療依存度はそれなりに高い利用者が多いので、

もしかしたら他のステーションだと、


電話がかかっているかもしれないな・・・ということもあります。


どういうことかというと、


「何かあったら、なんでもいいから連絡してね」

といって何でもかんでも訪問してしまうステーションが多いからです。





在宅医療や介護は家族の協力がないと、成り立たないことが多いです。


独居の場合はちょっと置いといて、


家族がおられる場合だと、

やはり家族の協力なしには在宅医療や介護は、十分できないのではと思っています。


家族はそれなりに覚悟が必要だし、在宅で見ると決めたなら、覚悟しているものと思います。


なので、家族ができる範囲で、トラブル時の対処方法や、ケアの方法について

あらかじめ教育しておく必要があると思っています。



「何かあったら、なんでもいいから連絡してね」



は、一見利用者・家族にとってはいいように思いますが、


それではどんな些細なことでも家族は看護師に連絡し、対処してもらおうとされます。


しかし看護師ありきの在宅医療・介護になれてしまうと、

災害時など、看護師も来れない状況になった場合にはたちまち、ケアが滞り、
最悪利用者の生命が危機にさらされてしまいます。


これは家族も不本意だな状況だと思うのです。



なので、ある程度家族が対応できるように教育するのは、
訪問看護師の仕事の一つだと思います。



家族は大変



そうでしょう。



でも、それでも在宅医療・介護を選択し、覚悟を決めたのです。


利用者・家族が、悔いなく、納得のいく生活を望むなら、

それは最低限必要なことだと思います。



「夜中にこんなことがあったんです。でも、看護師さんに言われていたようにしてみたら、何とか落ち着きました。良かったです」と


朝になって報告してくれたり、訪問時に「こないだこんなことがあってね・・・」


と伝えてくれる家族。


「ナイスな対応です!!さすがです!!。いやぁ~、しっかり対応できて良かったですね」なんて話すと、


家族もすごく満足げです。

夜中にいろいろ対応することは大変だっただろうな・・とは思いますが、

その満足げな顔を見ると、
ほっとするのも本当です。





時にレスパイトをうまく使って家族の休憩を取る、ヘルパーを使ってお手伝いしてもらう・・そういうサービスをうまく使って

在宅生活を利用者とともに営む。


そういうものだと思います。



看護師は在宅介護の主役ではありません。


主役は利用者・家族です。


しゃしゃり出ず、主役を引き立たせる縁の下の力持ちが訪問看護師の役割です。



そうすることで家族自身に「介護を十分やった」という満足感が生まれるのです。




緊急電話がかかるのが多いことを自慢してはいけません。



それは家族にちゃんとケアを教育していないことの裏返しです。


家族が満足にケアができるよう、教えてあげないといけないと思います。




緊急電話は、あくまでも安心のための保険です。



緊急契約をされる時は、利用者・家族にはそんな風にお話しをさせて頂きます。


それならいらない

といわれる利用者・家族はほとんどいません。




こんなことを書くと


きびしいなぁ~


家族に何でもさせるなんて・・・


それなら訪問看護はいらないやん・・・


という人もおられるでしょう。



しかし、訪問看護は在宅医療にはなくてはならない存在です。


これからもっと需要も出てくると思っています。


訪問看護をうまく使って、利用者も家族も満足のいく在宅生活を送るには

どうしたらいいのかなと思われる方は、
ぜひご相談くださいね。













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