目くそ鼻くそ?訪問看護師

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2020年末の時点での就労している全看護師数は、128万911人とのこと。

そのうち訪問看護ステーションに勤務する看護師は全体の4.9%となっていて、2年前調査よりも0.7ポイント上昇したそうです。




私が訪問看護師になったころは全体の2%といわれていたので、

当時よりかは若干増えています。


研修で訪問看護師について学んでいたとき、
講師の方が

「訪問看護師なんて、目くそ鼻くその数しかいないんだよ!」って

言っていたのがとても印象的でした。



それくらい小さな存在なんだと言いたかったのでしょうwww





でも



「地域包括ケアシステム」だ、


「在宅医療の推進」だと、言われている割には、この数と、

この増え率は何とも心もとないと思いませんか?



訪問看護師になる前は、もちろん私も病院勤務していましたが、


訪問看護の話を聞いたとき、わたしは


怖さより

ワクワク感のほうが大きかったです。



看護師が病院の外に出れるなんて!って。




実際訪問看護を初めてみて、公用車で利用者のおうちに行くのは、

なんと楽しいんだろうと思いました。



四角い、無機質な病院の、病室でなく、


いろんなおうちがあって、そのおうち独特の雰囲気があって。


四季の移り変わりを感じながら車を運転するのもとても楽しい。


病院は空調も快適で、過ごしやすいけど、


「今日は寒かったのか、暑かったのか」

「雨が降ったのか、風が強かったのか」


すらもわかりません。



訪問看護では、雨、風、雪、カンカン照りの太陽、時には雹まで

ダイレクトに感じます。



患者さん(利用者さん)のところに行くときは、病棟だと数分、数秒?でつくけど、

訪問は車で〇分とか移動時間がかかります。


交通渋滞にあってしまったら、

お約束の時間に間に合わない!!ってこともあります。




地域のスーパーの特売日はもちろん頭に入っていて


「今日は〇〇スーパーの特売日だから、この道を通ると遅れるな」とかねww


それでも、事故渋滞や、工事の渋滞もあったりして、余裕をもって動くようにしています。



ケアが長引いて、次の利用者のおうちに行くのが遅れることもあります。



そんな時は、事務所に連絡をして、事務員さんに利用者宅に遅れることを伝えてもらいます。


そうしてちょっとずつ遅れていくこともしばしば・・・。


訪問ならでは・・です。




でも、訪問看護ははまってしまうとやめられない。


面白くて仕方がないのです。



医師の指示の下でケアすることは病院でも訪問でも同じですが、

ある程度の裁量は訪問看護師のほうがあるのではないかなぁ~と思います。


私がまだ病院にいたころは、入浴やシャワーの許可を医師に確認したりしていました。


いや、もちろん確認しないといけない人はいますが、もう退院間近な人のお風呂でさえ、主治医の指示が必要ですか?


このまま退院して家に帰れば、患者さんはお風呂に入りますよ、普通に。

病院だからダメなのですかね?


何とも不思議だと思っていました。


お風呂って、キュアな部分ではなく、ケアな部分でしょ?

もう少し、根拠をもって医師に話して、ケアの部分の裁量をゆだねてもらってもいいんじゃないかな・・と思いました。




在宅は、生活の場なので、基本ケアが主だったりします。

もちろん、治療もしますけどね。

どちらかというと看護師がイニシアチブを取りやすい環境ではあると思います。



ターミナルの利用者さんだって、そんなに管類もないですし、

お風呂に入ってどうにかなっても、それで怒り出す家族はいません。



「好きなお風呂に最後まで入れてもらえてよかったね」



と言ってもらえます。



看護師が、看護を率先して行えてる感が在宅にはあります。

そこが面白いし、手ごたえを感じます。




でもそこが怖いという看護師もいます。


在宅で何かあったら、すべて即座に自分で判断しないといけないから、

訪問看護は怖いって。




え?病棟でもそうしてません?



一人で病室に行って、必要なケアを即座におこなっているのではないですか?



わからないことがあったとき、判断に困ったときは病院ではすぐ仲間がいるのでそれは心強いかもしれません。

在宅ではすぐにステーションに帰ることはできませんからね。



でも今は携帯という素晴らしい武器がある!!


何かあれば、判断に困れば、管理者や、他のスタッフ、もちろん医師にも連絡できます。



すべて自分で解決しないと!!と肩ひじ張らなくてもいいんです。


利用者さんも、家族もわかっています。




ここは病院じゃないんだって。



そんなことわかって病院から帰ってきてるんだって。



なので、慌てず、落ち着いて対処すればいいんです。




訪問看護のイメージが悪いのはこのあたりのようです。




また、「24時間対応する緊急電話を持ち歩くんでしょ?」


これも病院看護師には大きなネックになるようですね。

訪問看護に行きたいけど…これがね…みたいな。




そうですね。

訪問看護はそれがとても重要なサービスになっています。


いつでも何か不安なこと、心配なことを看護師に聞けるというのは、利用者や家族にとってはとても安心につながります。


でも看護師にとっては、



自由に外出できない

いつかかってくるかわからないから、おちおち寝てられない

トイレやお風呂もゆっくりできない




イメージですかね?


そんなことは全くないですよ。


逆に利用者家族は、看護師に電話をかけるのを躊躇されています。


なので、緊急電話がかかることは、めったにありませんし、

ある程度予測できます。


ターミナルの利用者さんがいるときは、ちょっと気が張りますけど、

「そろそろかな」

という時期だけです。



寝てても、お風呂に入ってても、その時が来れば、

慌てず、利用者宅に向かうだけです。



昼間に、「もしかしたらこんなことが起こるかもしれない」と予測し、

「そうなったらこんな風に対処しておいてね」

「それでもだめだったら看護師を読んでね」

と利用者、家族に伝えていれば、


ちゃんとしてくれます。

そして朝になって

「昨夜、こんなことがあったけど、言われたようにしたらできました」と

報告してくれたりするのです。






訪問看護の管理者になりたてのころ。


管理者の集まりがあって、自分のステーションはこうしてる、あーしてると

情報交換する機会がありました。



私は当時では珍しく30代前半の新米管理者だったので、

諸先輩方の話をふんふん聞いているだけでしたが、


まぁ~その先輩管理者さんたちの、自慢話というか、大変話のオンパレード!!



「昨日は緊急電話が〇件もかかってきて、訪問に行って大変だったわぁ~」


「月に〇件も電話がかかってくるのよぉ~」



・・・・・・利用者さん、大変やぁ~・・・。
家族、電話するの嫌やろなぁ~


と思いながら聞いていました。


できるなら、忙しい看護師さんに電話をしたくないのです。
深夜にたたき起こすような電話はかけたくない。
お休み中にかけたくないって思ってます。


でもどうしたらいいのかわからないからかけてしまうんです。


家族にできることを伝えてあげるだけで、その場がしのげたら、

電話しなくて済むんです。


利用者も、家族も、看護師もみんなハッピーです。


24時間の電話の件数多い自慢をしている管理者さんは、

ちょっと考えたほうがいいです。


家族指導ができてないってことを。


ちょっと話が脱線してしまいましたが、病棟看護師さんはこの緊急電話の
拘束感があるようです。


でも、電話がかからないように、家族指導する。

そうすれば家族もケアチームの一員という満足感も生まれ、
対処できれば、自信もつきます。

そしたらほとんど電話はかかりません。

ある程度予測できる緊急のみになるです。



そうはいっても、訪問看護師は病院看護師よりも大変という、イメージが

これらのことが原因でついてしまっているので、

目くそ鼻くそ・・・しか訪問看護師は集まらないのです。



目くそ鼻くその数しかいない訪問看護師がいなければ、



【病気があっても、障害があっても、住み慣れたおうちで暮らしたい】


は、かなえられない。



こんな普通のことがかなえられないなんて、寂しいですね。



普通のことを普通にできる、世の中であってほしいと思います。



目くそ鼻くそはそう思って今日も、スーパーの渋滞を避けて、訪問に参ります。


訪問看護についてもっと知りたい!!

こんなこと、訪問看護師に聞いてみたい!と思うことがありましたら、

遠慮なく相談してくださいね。






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