在宅での点滴管理について

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かつて、私がまだ病院看護師だったころは、


点滴をしているような患者さんは退院なんてできない



と思っていましたし、病院全体、そんな感じでした。





在宅で具合が悪くなって点滴が毎日必要・・となった場合には


もれなく病院へ入院することが当たり前でした。



でも今は全く違っています。



今回、このコロナ禍で、コロナ陽性者が、高熱を出し、

食事も水分さえもとれない・・でも入院させてくれる病院はなく、

家での療養を強いられる・・・・



なんてことが普通にありました。


訪問するのは、看護師しかいない。


そんな中、高熱による脱水や栄養補給のための点滴を


在宅ですることが、本当に多くありました。



利用者さん、家族はみんな、



「病院に行かなくてもいいんですか?」

「家で点滴してもらえるんですか?」

「ありがたやぁ~、ありがたやぁ~」


なんてびっくりされていました。



そうです。いまはもう、家で点滴するなんてことは

朝飯前なのです。



主治医の指示と点滴の物品さえそろえば、


訪問看護師が点滴をしに訪問します。



ですが、訪問看護ステーションは病院ほど看護師がいるわけではありません。



点滴が入りずらくなっている血管に、点滴をするのは至難の業。



なんども針を刺すとさすがに利用者さんだけでなく、

看護師も凹んできます・・・


そして、



「ごめん。点滴が入らない。変わってほしい」とステーションに
現場の看護師から連絡。


手が空いたスタッフが交代。


その看護師も無理ってなったらまた次の看護師へ・・・



なんてこともあったりします。



最終的に3人目くらいになるともう血管もさらに出にくくなっているのですが、


そこはもう気合いを入れてえいや!!!



入ればいいけど、入らなかったら・・・




「せんせい~~~( ;∀;)はいらない~~~~」と在宅医に泣きつくことも。



さすが医者なら入るだろうと思いきや、


それもかなわなかったときは、


必殺



皮下注射



に代わったりします。


血管ではなくおなかや、太ももなどの皮下組織に直接針を刺して


ゆっくりと吸収させる方法です。




血管外にさしているので、皮膚は時間とともにぷっくりふくれていって


点滴がたまり、ゆっくり体へ吸収していってくれます。



これができるようになってから


在宅での点滴管理はかなり楽になったというか、看護師の負担も減りましたし、



利用者や家族も、「腕を動かさないで!」とか、「漏れたらどうしよう」

という心配をすることはなくなりました。



なので、人生の末期の利用者さんに、家族が希望して点滴をする場合など

本当に最後まで点滴をすることが増えました。


いいか悪いかは、別にして。




で、その点滴をするときに、病院だと「支柱台」と呼ばれる点滴用のスタンドがありますが、



在宅では前もってレンタルしておかないとありません。



急に点滴!!ってなったときは、写真のようにS字フックや、


針金ハンガーをカーテンレールにひっかけたり、鴨井にひっかけたりしてつります。



何もなければ、電気の傘のところにひっかけたり、電気のコードにもうむすんじゃえってすることもあります。




看護師さんたちはスゴイです。

頭をひねってひねって、どこにひっかけられるか???
を部屋中観察しまくって


探します。



ちょっとのでっぱり、ひっかけがあればと血眼になって探します。



いまどきのおうちは、なかなかそれがいつからないのが、悩みのたね(?)



話がそれましたが、

家で点滴の管理をすることはもう、十分に当たり前になってきています。


なので、


点滴をしているから、家に帰れないなんてことはもうないのです。


厳しい血圧管理が必要で、点滴のほかに、お薬をきっちりと入れたいときには、

自動ポンプを利用することもできます。



がんの痛みが強くって、持続的に麻薬を注入する機械を管理することもできます。



中心静脈栄養といって、24時間高カロリーの点滴を管理することも十分できるのです。




だから



「点滴をしているから退院は無理です」という、病院医師や看護師がいたら、


在宅でもできますよといってくださいね。



まだまだ在宅のことを知らなさすぎる、病院医師や看護師が多いのが
現状ですから・・・。



でも、


在宅で点滴をするときは、家族の協力が必要です。



それは


点滴が終わったら、針を抜くのはおうちの人だからです。





看護師は点滴をしに行きますが、

抜くために訪問に行くと、また訪問看護料がかかるので、
基本おうちの人にお願いしています。



まったく難しいことはありません。



ただちょっとのコツがいるので、
丁寧におつたえします。



「ドキドキしたけどできました~~~」って皆さんそうおっしゃいます。


独居さんは、仕方がないので看護師が再度訪問し抜きに行きますが、

それ以外はご家族にお願いしています。



在宅は家族の協力なしでは成り立ちません。



でも、安心してください。



訪問看護師が、お手伝いしますし、家族ができるようにお伝えしていきます。



在宅での看護・介護で心配なことがおありでしたら、



ぜひご相談くださいね。







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