床ずれのことを語りだすと、きりがないのですが。
先日久しぶりにおしりに巨大褥瘡といわれる10センチ以上の床ずれ(褥瘡といいます)を見ました。
病院から退院して、訪問看護でお世話していくことになったのですが、
最近は在宅での褥瘡管理がとても進んだことで、
ここまで大きな褥瘡はお目にかかることはなくなっていました。
しかし、不幸にもまだ、褥瘡対策が昭和のまま…の施設もあるようで、
施設でできた褥瘡が、そこでは手に負えなくなり、病院へ入院した・・・
という経緯でした。
入院当初はもっと大きなサイズで、黒くてかたいかさぶたがついていて、
その周りは真っ赤に腫れていたそうです。
病院でそのかさぶたを取ると大量の膿が流れ出たそうです。
そこから病棟看護師さん、医師、栄養士など褥瘡対策チームがケアを実施。
当初のサイズよりも一回り小さくなって退院になりました。
退院の経緯は、本人の病状があまり思わしくなく、
「家に帰りたい」と希望していることと、
家族も「余命いくばくもないなら家に帰してやりたい。
施設に入ってから一度も家に帰らないまま、1年が過ぎている。
どうにかしてやりたい」
と切に希望されたから。
訪問看護は毎日入って、床ずれの処置と、点滴、排泄ケアと、胆管チューブの管理と、訪問時間中はやることが満載な状態でした。
床ずれはいろんな原因が重なって発症します。
昔は「床ずれ作るは看護の恥」といわれ、ケアが十分でない、看護の質が悪いことの代名詞でした。
それが看護やケアだけが原因ではなく、宿主さんの身体状況や、環境要因が大きいこともわかってきて、
寝具や、栄養、軟膏などの治療剤も大きく進化しました。
それでも褥瘡は看護師がイニシアチブをとることが多いので、
褥瘡をケアしていくのがとてもやりがいのあるケアの一つとなっています。
それでも今回はあまりにも宿主さんの状態が悪くて、治癒を目指すというよりも、感染を起こさないようにケアしていくことで精いっぱいな感じでした。
ここに至るまでに、褥瘡を作らない、悪化させないケアが、本当に重要です。
施設はまだ在宅よりも遅れていることが多く、何にしても問題になっています。
地域差もあるでしょうが、連携もとりずらく、看護用語一つ伝わらないこともあったりします。
ケアの内容を伝えても同じようにしてもらえない、アセスメントができないなんてことも、すべてではなくても、結構な施設であったりするのが、ここの現状です。
褥瘡は、ほんの2時間ほど同じ姿勢をとり続けることで、できてしまうことがあります。
体の状態が悪い人ならなおさらすぐに悪化していきます。
できた褥瘡を直すケアもできずに、悪化しないように維持するケアしかできないことは、本当に心苦しく思います。
昨日、この利用者さんがなくなりました。
退院して6日め。
とても穏やかなお顔をされていました。
合唱
**床ずれがあったっておうちでお世話することは可能です。
在宅にいる看護師がお手伝いします。
どんなふうにしてくれるんだろう???
ちょっと聞いてみようかな?と思われたら、
覗いてみてください**